ゼレンシキー宇大統領、ロシア軍によるホロコースト犠牲者追悼碑破壊を非難
ウクライナのゼレンシキー大統領は26日、ロシア軍がハルキウ州のホロコースト犠牲者追悼碑「ドロビツィキー・ヤール」を破壊したことを強く非難した。
ゼレンシキー大統領が26日夜の動画メッセージにて発言した。
ゼレンシキー氏は、「占領者は歴史に対する更なる罪を犯した。歴史的正義に対する罪だ。ハルキウ近くにて、ロシア軍は、ホロコースト犠牲者追悼碑『ドロビツィキー・ヤール』をお得意の非人間的なやり方で『非ナチ化』した。今日、ドロビツィキー・ヤールのメノラーがロシアの砲弾で破壊されたのだ。これは世界の全ユダヤ人コミュニティに対するさらなる質問である。『私たちのウクライナの地において、共通のホロコーストへの記憶に対してロシアが犯している罪をあとどれだけ見逃せば良いのか?』」と強調した。
同氏は、今回の非ナチ化(編集注:ロシアの砲撃)は第二次世界大戦時にナチスが2万人近くの人々を殺害した場所で行われたと指摘した。
さらに同氏は、ロシア軍は完全に自覚的に民間人を殺し、住宅を破壊し、シェルターや病院、学校、大学、教会を目標とし、ホロコースト犠牲者追悼碑すら対象としていると発言した。
さらに同氏は、「ロシア軍は『全てを破壊せよ』という命令を受けている。民を民とし、人を人とし、文化を文化とするあらゆるものの破壊だ。80年前、ナチスも同じように欧州を制圧しようとした。ウクライナにて占領者は同様に行動している。そのことで誰も彼らを許さない。責任が負わされる。77年前と同様に。おそらくニュルンベルクではないだろう。しかし、意味は同じものとなる。見るが良い。誰もが目にする。誰もが。私たちが保証する」と強調した。
なお、26日、クレーバ宇外相もロシア軍によるドロビツィキー・ヤールの追悼碑破壊につき、ツイッター・アカウントで報告している。
クレーバ氏は、「このハルキウ郊外のドロビツィキー・ヤールのメノラーは、誰のことも一度も脅かさなかった。それは、ナチスに殺害された1万5000人以上のユダヤ人の記憶をしのぶものだ。今日、ロシアの砲撃で損傷した。ロシアはウクライナにあるホロコースト追悼碑をどうして攻撃し続けるのだ? 私はイスラエルがこの蛮行を強く非難することを期待している」と書き込んだ。