ウクライナ検事総局、オレニウカ収容所砲撃によるウクライナ軍人約40名死亡の捜査開始

ウクライナの検事総局は29日、死者約40名、負傷者130名の被害を出した同日のドネツィク州オレニウカへのロシア連邦の砲撃についての刑事捜査を開始した。

検事総局広報室がテレグラム・チャンネルで発表した

発表には、検事総局が戦時国際法違反(ウクライナ刑法典第438条2項)にもとづく裁判前捜査を開始したと書かれている。

事件内容の説明には、2022年7月29日、侵略国が一時的に被制圧下にあるドネツィク州ヴォルノヴァハ地区オレニウカ町の第120矯正収容所敷地へ攻撃を行ったとあり、その結果、約40名が死亡、130名が負傷したと書かれている。

また、検事総局は、この収容所にて、侵略者は民間人とウクライナ軍人を違法に拘束していたとの情報を確立していると伝えた。

なお、ドネツィク州オレニウカには、占領政権による濾過施設(編集注:厳重な人物調査を行う場所)が2つあることが知られていた。これら施設には、元治安機関職員、親ウクライナ活動家、調査にて「望ましくない」人物と認定された市民、マリウポリ市民の避難支援を行っていたボランティアなどが拘束されていた他、マリウポリ防衛戦に参加し、その後投降したウクライナ軍人も収容されているという情報があった。

これに先立ち、ウクライナ軍参謀本部は、29日の被占領下ドネツィク州オレニウカにあるウクライナ人捕虜の収容されていた収容所に対する砲撃はロシア軍による意図的なものだと発表していた。

なお、ドネツィク州オレニウカには、占領政権による濾過施設(編集注:厳重な人物調査を行う場所)が2つあることが知られていた。これら施設には、元治安機関職員、親ウクライナ活動家、調査にて「望ましくない」人物と認定された市民、マリウポリ市民の避難支援を行っていたボランティアなどが拘束されていた他、マリウポリ防衛戦に参加し、その後投降したウクライナ軍人も収容されていることが知られていた。

ウクライナ軍参謀本部は5月17日、ウクライナ最高軍司令部が東部マリウポリ製鉄工場「アゾフスタリ」に駐留する部隊の指揮官たちに対して、人員の命を守るよう命令を出したと発表していた。これを受け、264名の軍人をロシアに占領されている自治体に避難する作戦が実行された。その際、参謀本部は、内211名の軍人は人道回廊を通じて被占領下のオレニウカへと避難させられたとし、彼らの今後のウクライナ政府管理地域への帰還は、(被拘束者)交換手続きを通じて行われると説明していた。