ウクライナはクリミア解放へと続く道に踏み出した=ホッジス元米軍高官

ホッジス元米国駐欧州陸軍司令官は、ウクライナは現在の反転攻勢にて、2014年からロシア軍に占領されているクリミア半島の解放に繋がる道へと踏み出したとの見方を示した。

ホッジス氏がニュースサイト「エスプレッソ」へのインタビュー時に発言した

ホッジス氏は、「ウクライナはクリミア解放とウクライナからのロシア軍排除へと続く道へと踏み出した。反転攻勢の開始はウクライナにとって困難な一歩であろうが、しかし、その主要局面はまだ始まっていない。私の考えでは、ウクライナ軍はロシアの防衛に圧力をかけ続けながら、脆弱な地点を模索していき、どこが主要な攻勢となるのかについてロシア人を撹乱していくのだと思う」と発言した。

同氏はまた、ウクライナ側に損耗も出ると述べ、「今後の数日間は非常に困難だろうが、しかし、私は、今後数週間は、もっとずっと大きな成功と、ウクライナ戦力の動きの漸進的ダイナミズムを目にすることになると見込んでいる」と発言した。

さらにホッジス氏は、ウクライナ軍参謀本部は複数地点で敵に圧力をかけていくだろうとしつつ、自身の主観的な評価としては、ウクライナ側の優先的目的の1つはクリミア・ロシア間の接続だと指摘した。加えて同氏は、「私は、マリウポリとメリトポリの間のどこか、つまり、陸上回廊の地域のことを念頭に置いていている。ウクライナがクリミアを孤立させるためにその道を封鎖できるようにしたいと考えているのは予想できる。クリミアをロシア軍にとって使えないようにして、彼らがそこに居続けられないようすべく、(クリミア半島の)セヴァストーポリ、サキ、ジャンコイへと攻撃を始めるために、そこにさらなる長射程システムを集めるだろう」と述べ、それはウクライナ側の攻勢における重要な点であり、今後2か月間の内に生じるかもしれないと補足した。

更に同氏は、英国が長射程ミサイル「ストームシャドー」を供与したことは重要な貢献だったとし、それによってウクライナは遠距離の目標も攻撃できるようになっていると指摘した。その点で同氏は、バイデン米大統領政権がウクライナに長射程ミサイル「エイタクムス」を供与する決定を採択するか、無人機「グレーイーグル」かその他の長射程システムを供与して、ウクライナが敵のより深い後衛を攻撃できるようにする決定を採択することを望んでいると発言した。

その他同氏は、ウクライナ側は、ロシアがさらなる災害を引き起こす前に、ザポリッジャ原子力発電所の安全を確保するために多くの努力を向けるだろうとも指摘した。