ウクライナ情報総局局長、エネルホダル奪還に向けて特殊任務部隊を過去3回派遣したと認める
ウクライナ国防省傘下情報総局のブダーノウ局長は、現在ロシアに占領されているザポリッジャ州エネルホダルとザポリッジャ原発の解放に向けた拠点設置を目指して、特殊任務部隊がドニプロ川左岸へと渡河を3回試みたことを認めた。
ブダーノウ局長がニュースサイトNVとのやり取りで明かした。
NVは、同作戦に参加した仮名ヴォロディーミル氏から、昨年8月情報総局の隊員がエネルホダル地区へと、まだ水で満たされていたカホウカ貯水池を渡ったという情報を得たと伝えた。同氏によれば、その目的はエネルホダル解放のための拠点を左岸に設置することだったという。
当時はロシア占領者は、ザポリッジャ原子力発電所を自分たちの電力システムと接続したがっていた時期だったという。
ヴォロディーミル氏によれば、情報総局の特殊任務部隊の隊員はエネルホダル付近に上陸したものの、彼らには火砲支援が不足し、拠点を作ることはできなかったという。優位のあるロシア占領軍の圧力を受け、ウクライナ部隊は撤退。また、この時点より前にも、類似の作戦実施が行われていたのだという。
同時に、ブダーノウ情報総局局長やその部下は、エネルホダルとザポリッジャ原発解放を諦めなかったという。NVは、情報総局の特殊部隊は、さらに2回、ドニプロ川左岸の上陸を試みており、最後の試みの際には数百人の隊員が参加したと伝えている。
NV記事には、「しかし、情報総局が上陸の度に経験を重ねたのと同様、その地のロシア人もさらに準備を増していった。そして、3回目の上陸作戦の時、彼らは戦車を含む重機材を陸地に寄せた」と書かれている。
しかし、特殊任務部隊の隊員は、その際も拠点を設置することができず撤退したという。ブダーノウ局長は、管理面と遂行面の失敗によって3回の作戦はうまくいかなかったと発言した。他方、ロシア側は、ザポリッジャ原発を自らの電力システムに接続することを断念したとも指摘した。
同時にブダーノウ氏は、「またエネルホダル作戦は、もう1つの役割を担った。同作戦は、指揮官から戦闘員までの皆に、水上での行動という実践的経験を与えたのだ。その経験は、現在非常に良く運用され、利用されている。例えば、クリミア上陸時にだ」と発言した。