ロシアはウクライナの降伏に相当する停戦要件を変えていない=戦争研究所
米国の戦争研究所(ISW)は、プーチン氏をはじめとするロシア首脳陣が提示するウクライナの完全降伏に相当する停戦要件は2021年から現在まで変わっていないと指摘した。
ISWの1月3日付報告書に書かれている。
報告書には、ゼレンシキー大統領は、ロシアを「公正な平和」に同意させるために満たすべき条件を説明したと喚起されている。ゼレンシキー氏は1月2日公開のインタビューで、今後の交渉で「公正な平和」を実現するためには、「強力なウクライナ軍」「西側同盟国からの安全保障」「ロシアによるウクライナへの再侵略を抑止するためのウクライナの将来的なNATOおよびEUへの加盟」が必要だと述べた。
ゼレンシキー氏はまた、ウクライナは「4、5万人の兵士」といった小規模な軍隊では公正な平和を達成することはできないと述べた。ISWは、2022年春のロシアとウクライナのイスタンブル和平交渉において、ロシアのプーチン氏がウクライナの非武装化と約5万人だけの兵力の維持のみを最初に要求したことを指していると指摘している。
報告書には、「プーチンと他のクレムリン当局者は、ウクライナの完全降伏に相当する戦争終結の条件を繰り返し提示しており、それにはウクライナの合法的政府の排除とウクライナの非武装化が含まれている。こうした要求は2021年以降も変わっていない」と指摘されている。
これに先立ち、ウクライナのゼレンシキー大統領は、2日公開のインタビューの際に、「公正な平和」とは、ウクライナが強くあることと、安全が真剣に保証されること、ウクライナが欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)にいずれ加盟することだと発言していた。