NATO、対露制裁を協議 ウクライナ周辺の露軍集結受け
11月30日、ラトビア首都リガにて開催された北大西洋条約機構(NATO)外相理事会にて、ウクライナの国境沿いや被占領地におけるロシア軍の集結と、関連制裁などが協議された。
ストルテンベルグNATO事務総長が外相理事会初日会合後の記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ストルテンベルグ氏は、「ウクライナ国内(編集注:被占領地)とその周辺の状況は、引き続き急速に変わっており、予見できない。ロシアの意向についての確信はなく、私たちは、著しく、通常と異なる部隊の集結を目にしている。その集結は、正当化できるものではなく、説明もない。また、憎悪のレトリックや偽情報も見られる。外相たちは、その状況について協議した。私たちは皆、ロシアのあらゆる今後の攻撃的行為を抑止する意向で一致している。私たちは、ロシアに対して、透明性を確保し、情勢を緩和し、緊張を和らげるよう要請する。今後のロシアのウクライナに対するいかなる侵攻も、大きな代償を生じさせるし、ロシアに深刻な政治的・経済的結果をもたらすことになる」と発言した。
同時に同氏は、外相たちはロシアがこれまでにもウクライナやその他の国に武力を行使したことがあることを考慮していると述べた。
対露制裁に関しては、ストルテンベルグ氏は、「経済制裁、政治的対応に関しては、たとえNATOが制裁発動の決定を採択するような機構ではないとしても、個別の同盟国はそれを行うことができる。例えば、欧州連合(EU)にとってNATOは、欧州の同盟国、EU加盟国がカナダや米国とともに集まれるプラットフォームなのだ。(中略)経済制裁と政治的対応は、私たちが今日米国と共に協議したことの一部である」と発言した。
同氏は、NATO加盟国は対露経済制裁について協議したとし、「私は、ロシアが、NATO同盟国の制裁発動に関する決断力や制裁維持の能力を、とりわけ2014年のクリミア違法併合に関するものにつき、正しく評価していないと考えている。私たちは、NATO内で政治的方策を行使している。例えば、私たちは、ロシアとの実質的協力を停止した」とし、さらにNATO東方の部隊増強、空中パトロール、海軍プレゼンスの増加を決定したことを喚起した。同氏は、「これら全てが、2014年のクリミア違法併合後に起きたことへの非常に明確なメッセージを送るものだ」と発言した。
同氏は、NATO加盟国は、ウクライナに政治的・実践的サポートを与え続けるとし、ウクライナがロシアの挑発に対して均衡ある対応をしていることを歓迎した。また、12月1日にはNATO外相たちがウクライナとジョージアの外相と会談すると伝えた。
なお、11月30日から12月1日にかけて、リガにてNATO外相理事会が開催されている。