ルーマニア、ウクライナに防空システム「パトリオット」提供を決定

ルーマニア国防最高評議会は20日、ウクライナに対して防空システム「パトリオット」を提供する決定を採択した。

ルーマニア・インサイダーがルーマニア大統領府の発表を伝えた

発表には、「ロシアによる民間人や民間インフラ、特にエネルギーセクターへの恒常的かつ大規模な攻撃により、ウクライナの治安情勢が著しく悪化していることと、ルーマニアの安全保障にとってのものを含む、この状況による地域の悪影響に注意を向けつつ、北大西洋条約機構(NATO)加盟国と緊密に調整しつつ、評議会議員は、ウクライナにシステム『パトリオット』を提供することを決定した」と書かれている。

また発表には、「パトリオット」のウクライナへの供与は、ルーマニアが同盟国、とりわけ米国との間で、類似・同等の防空システムを受け取るための協議を続けるという条件で行われると補足されている。

同時に、評議会は、諸国が現場によって生み出された作戦面の脆弱性を埋めるための臨時の決定を定めなければならないとも伝えている。

ゼレンシキー宇大統領は同日、ソーシャルメディア「X」アカウントで、今回のルーマニアの決定に謝意を伝えた

ゼレンシキー氏は、「私は、ルーマニアとヨハニス大統領に、ウクライナへと追加の防空システム『パトリオット』を提供する決定の採択につき感謝している」と書き込んだ。

さらに同氏は、「この重要な貢献は、私たちの空の盾を強化し、私たちがロシアの空のテロから人々と重要インフラをより良く守る上で役立つだろう。ルーマニアの強力なリーダーシップとウクライナのための原則的な支援に感謝する」と伝えた。

また同氏は、重要なことは、今回の決定がウクライナだけでなく地域と欧州全体の安全保障を強化するということだと指摘した。

その上で同氏は、「ロシアのテロに今終止符を打つことにより、ウクライナはモルドバ、ルーマニア、バルト諸国、その他私たちの全ての隣国に対する潜在的な侵略を防ぐことになる。ウクライナがロシアのテロに今打ち勝つために必要な手段を手に入れることは、ロシアの将来のさらに大規模な侵略行為に他の誰も直面しないようにするために極めて重要である」と伝えた。

これに先立ち、ウクライナのゼレンシキー大統領は13日、ウクライナが必要としている防空システム「パトリオット」について、パートナー国との現在の連携により、近々「良い結果」が出るだろうと発言していた