2023年5月以降「キンジャル」はキーウ市内の目標に到達していない=ウクライナ空軍大佐

ウクライナ空軍大佐のセルヒー・ヤレメンコ第96地対空ミサイル旅団指揮官は、ウクライナが防空システム「パトリオット」を得てからは、キーウに対して発射された20弾以上の弾道ミサイル「キンジャル」は全て迎撃できていると発言した。

ヤレメンコ氏がウクルインフォルムへのインタビュー時に発言した(リンク先はウクライナ語)。

ヤレメンコ氏は、「私たちが弾道ミサイルに対して活動している時、それが『キンジャルKh47M』なのか『イスカンデルM』なのか『48N』(編集注:『S400』で使われるミサイル)なのか、あるいはミサイルシステム『バスチオン』から発射された『ツィルコン』なのかは、私たちにとっては重要ではない。私たちにとっては、それはとにかく弾道の標的なのだ。それがどのような空の標的だったのかは、後から分析者、専門家が、一定の性質や破片の捜索を根拠に特定する。1つだけ言おう。ウクライナの首都に向けて発射された全ての『キンジャル』は、地対空ミサイルシステム『パトリオット』が戦闘配備されたと発表されて以降、全て成功裡に迎撃されている。2023年5月初旬以降、私たちの国の首都の領域内の目標に到達した弾道標的は1つもない。20弾以上の『キンジャル』がキーウに向けて発射されたが、全て迎撃されている」と発言した。

記者から、どうしてロシアは現在キーウへの積極的な攻撃を止めているのかと質問されると、ヤレメンコ氏は、それはウクライナの防衛戦力が効果的に攻撃を撃退していることとは関係がないと返答した。

同氏はその際、「ロシアは、一定の手段を保有しつつ、攻撃のための対象リストを定めている。もしかしたら、この間、同国は他の対象に関心があるのかもしれない。しかし、断続的に、もちろん、キーウ州の重要な国家施設もまた、敵の攻撃影響下にある。私たちは毎日、毎秒、24時間どんな時もそのような挑戦に対する準備ができている」と明言した。

ロシアが多用する誘導航空爆弾に関しては、ヤレメンコ氏は、それへの効果的な対策は、誘導航空爆弾を搭載する航空機を破壊することだと強調した。

同氏は、「搭載機がなければ、誘導航空爆弾もなくなるのだ。私たちは、それを実行する武器を持っているが、しかし、それは非常に少ない。私たちには武器が要る。私たちには、そのために地上発射型誘導ミサイルが要る」と発言した。