ウクライナとポーランド、安保協定を締結
ウクライナのゼレンシキー大統領とポーランドのトゥスク首相は8日、ワルシャワにて両国間の安全保障協定に署名した。
ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
今回の安全保障協定は、ウクライナが締結する21本目のものとなる。
ウクライナ大統領府広報室は、同協定締結に際し、ポーランドはウクライナに対して、これまでに総額40億ユーロ以上の武器や弾薬からなる44の軍事パッケージを供与したことを喚起し、また今年ポーランドがさらに複数の軍事支援パッケージを供与すること、また協定に従い10年間にわたってウクライナを支援し続けることを指摘している。
さらに発表によれば、ポーランドは、ウクライナに対して、「MiG29」1個追加飛行隊(少なくとも戦闘機14機)を引き渡す可能性を検討する。
また、同協定には、ポーランド方面へ向けて発射されたミサイルや無人機をウクライナの領空で迎撃する可能性が定められている。
加えて、一時的にポーランドやその他の国に滞在するウクライナ国民を対象に、ポーランド領内でウクライナ安全保障・防衛戦力の人員を訓練する「ウクライナ軍団」の創設に関しても書かれている。
協定には、ポーランドの防衛企業のウクライナ領内への設置や、共通防衛生産の追加的可能性の分析といった防衛産業面の」協力についても記述がある。
またポーランドは、物流ハブ「ポルログハブ」の活動と3国の軍からなる「リトポルウクル旅団」の能力のウクライナ軍強化のための利用を継続していくという。
その他、インテリジェンス、サイバーセキュリティ、海洋安全保障、情報安全保障、重要インフラ保護といった非軍事分野での協力強化も目的としたものとなっている。
協定は、経済復興・復旧、国境沿いインフラ、輸送能力発展にも関わっている。
政治協力部分には、欧州統合、ウクライナの「平和の公式」実現、制裁、ウクライナへの賠償補償、侵略国の責任追及が含まれる。
ポーランドは、ウクライナによる欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)への加盟支持を明確に確認している。
また同日、ウクライナ大統領府広報室は、「ウクライナ・ポーランド間安全保障協力協定」の全文を公開した。
なお、今回の協定は、2023年7月12日のビルニュスで採択されたウクライナ支援に関するG7首脳宣言に基づいたもの。
これにより、ウクライナは、英国、ドイツ、フランス、デンマーク、カナダ、イタリア、オランダ、フィンランド、ラトビア、スペイン、ベルギー、ポルトガル、スウェーデン、アイスランド、ノルウェー、日本、米国、EU、エストニア、リトアニア、ポーランドと計21本の二者間安保協定を締結したことになる。