ウクライナにとっての最善の安全の保証はNATOの第5条=NATO事務総長

北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は10日、ウクライナは終戦後にロシアからの侵略抑制のための追加的な能力と安全の保証を得なければならず、最善の保証は北大西洋条約の第5条だとし、そのためNATOのウクライナとの協力における協議の最終目的は、ウクライナのNATO加盟だと発言した。

ストルテンベルグ事務総長がワシントンでのNATO首脳会議会場内で開催されたフォーラムでの演説時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ストルテンベルグ氏は、「私たちは、ロシアがウクライナを何度も引き裂くという行動の傾向を見てきた。もし、私たちが新たな停戦、新たな合意を得ることになれば、その際私たちは、全てがそのラインの定められた場所で止まることを根本的に確信しなければならない。戦闘が止まる時、私たちは、ウクライナがロシアのさらなる侵略を抑止する能力と安全保障上の保証を得られるようにしなければならない。言うまでもなく、安全の最善かつ最強の保証は第5条である。よって、私は、これらの協議の最終目的は(編集注:ウクライナの)NATO加盟であると確信している」と発言した。

また同氏は、ワシントンNATO首脳会議における全ての議題の中で、最も喫緊かつ最も重要な問題はウクライナ支援だと指摘した。

そして同氏は、「現在、確かに私たちが挑戦を受けている時である。もし私たちが自由と民主主義のために立ち上がりたいならば、その時は正に今である。そして、その場所は、ウクライナなのだ」と発言した。

また同氏は、NATO加盟国首脳は、ウクライナへの安全保障支援、長期財政貢献、武器・弾薬供与を扱う、ドイツにおけるNATOの個別の司令部の創設を含む、ウクライナのための新しい広範な支援パッケージを検討すると認めた。

そして同氏は、「これら全てがプーチン大統領に対して、彼は私たちより長く待つことはできないという強力なメッセージを送ることになる。逆説的なのは、長期的なウクライナ支援に私たちがコミットすればするほど、この戦争はより早く終わる可能性があることだ。そして、それこそが私たちが行わねばならないことである」と指摘した。

その他同氏は、首脳会議の共同宣言におけるウクライナのNATO加盟に関する文言は重要だとしつつ、しかし、NATOと加盟国による、一貫しつつ段階的な、ウクライナのNATO完全加盟を近付ける実際的な行動も同様に重要だと指摘した。

そして同氏は、「私たちの支援の構造化、長期的財政コミットメント、より多くの兵器システムのウクライナへの供給。これら全てがウクライナをNATOへと近付ける。それは現実を変える。なぜなら、私たちが『F16』を供給する時、それは単に『F16』を供給するというだけでなく、訓練、ドクトリン、作戦コンセプトも供給することになり、それら全てがウクライナをNATOとの間の完全な相互運用性へと進ませるからだ。そのパッケージの要素はウクライナを加盟へと近付ける。正しい時が来て、私たちがコンセンサスを有したら、政治的な決定が下される。その時、加盟への招待状が送られることになる」と発言した。

なお、9〜11日、ワシントンにてNATO首脳会議が開催されている。ウクライナからは、ゼレンシキー大統領率いる代表団が出席している。

写真:NATO