世銀、ウクライナの経済成長の3つの要因を指摘
2018年上半期のウクライナの経済成長加速化の3つの要因は、気候による作物の早期収穫、給与・年金額の上昇を受けた国内消費の増加、国外就労者の送金増加である。
10日4日付世界銀行(世銀)のウクライナ経済レポートで指摘された。
世銀のデータでは、2018年上半期の経済成長が3.5%まで加速したのは、作物が早期に収穫できたこと、給与と年金の上昇を受けた国内消費の増加である。追加的要因として、国外就労者の送金の増加も指摘された。
同時に、レポートには、改革の停滞を理由として、投資誘致の大きな改善は実現していないことが強調されている。とりわけ、構造改革とIMFプログラム履行が遅れていること、ウクライナが国外からの支援を必要としていること、選挙前の不確定要因が高まっていることが、ウクライナへの投資魅力が著しく改善していない理由として指摘された。
これまでの報道では、世銀は、2018年のウクライナの経済状況に関するマクロ経済暫定予想を本年4月に発表しており、とりわけ2018年のウクライナのGDP上昇率を3.5%との予想を維持していた。
その際、予想には、いくつかの改革実施が不可欠であるとし、実施されない場合には、2018~19年のGDP上昇率は2%台に低減すると指摘されていた。本年10月、世銀は、2018年のGDP上昇率を3.5%、2019~20年の上昇率を4%台としている。
世銀の指摘する不可欠な改革には、反汚職裁判所の設置、国営銀行改革、農地市場の開設、透明な民営化を挙げた。
また、世銀は、2018年のウクライナのインフレ率が、予想される給与上昇を背景に、ウクライナ中央銀行の予想をもう一度上回る可能性を指摘していた。