ウクライナ南部の海洋港から小麦を載せた民間船が出帆

ウクライナ南部オデーサ州の海洋港「チョルノモルシク」から19日、3000トンの小麦を載せた民間船「レジリエント・アフリカ」がボスポラス海峡へ向けて出帆した。

クブラコウ復興担当副首相兼地域発展・インフラ相がフェイスブック・アカウントで報告した

クブラコウ副首相は、「3000トンの小麦を積んだ船『レジリエント・アフリカ』がチョルノモルシク港を出て、ボスポラス方面へ向かっている。これは、ウクライナ海軍が定めた民間船のための臨時回廊を通じて、先週チョルノモルシク港に入港した2隻の船の内の1隻」だと報告した。

同氏はまた、2隻目は現在港にてエジプト向けのウクライナ産小麦を積んでいるところだと伝えた。

船舶はリベリアとパラオの国旗で、乗船員はトルコ、アゼルバイジャン、エジプト、ウクライナの国民からなるという。

これに先立ち、2022年7月22日、イスタンブルにて、ウクライナとトルコと国連、及び、ロシアとトルコと国連がそれぞれ、ウクライナの海洋港の封鎖を解除し、ウクライナ産農作物を輸出できるようにするための合意を締結していた。同合意は、120日間継続し、当事者の合意により延長できることになっており、過去複数回延長が行われていた。

ロシアは、今年7月17日にロシアは黒海穀物回廊合意を停止する意向を表明。トルコがロシアに合意への復帰を求めているが、現在まで復帰は実現していない。

これを受け、ウクライナは、8月10日、黒海に面したウクライナの海洋港へのアクセスを可能にする商業船のための新しい臨時海路を発表していた。その際ウクライナは、あらゆるルートには、ロシアからの軍事的脅威と機雷の危険が残るとも伝えていた。

8月16日には、最初の民間船がオデーサ港から同ルートを利用してボスポラス海峡へと出帆。ただし、これまでの同ルートの利用は、前面侵略戦争の開始により港から出帆できなくなっていた船舶の脱出を目的としていた。

写真:クブラコウ副首相(フェイスブック)