ウクライナのエネルギー分野は今冬最も深刻=国際エネルギー機関

国際エネルギー機関(IEA)は、ウクライナにとって今冬はロシアの全面侵攻開始以降最も深刻となると警告している。

英ガーディアンが報じた

IEAは、来たる冬は、ウクライナのエネルギー網にとって、ロシア侵攻時以降最も困難な挑戦となる、なぜなら、多くの発電所が破壊された、あるいは破損しているからだと指摘した。

IEAはまた、ウクライナのエネルギーインフラ再生のためのウクライナのために10項目の計画を提案したという。ただし、内容は公開されていない。

報告にて、IEAのビロル事務局長は、「ウクライナのエネルギーシステムは、これまで2つの冬を耐え抜いた。…しかし、この冬は、いうまでもなく、最も厳しいテストとなるであろう」と伝えた。

同報告には、2022年と2023年に「ウクライナの発電能力の約半分がロシア軍によって占拠されるか、破壊されるか、ダメージを受けており、大規模ネットワークの変電所の約半分がミサイルや無人機によって破損した」と書かれている。

ウクライナがロシアの全面侵攻以降、3分の2以上の発電能力を失った事から、「利用可能な電力とピーク時の需要の間に大きな隔たりがある」と指摘されている。

ビロル事務局長は、今冬のウクライナのエネルギーシステムは、エネルギー安全保障分野における最大の挑戦と直面するだろうと述べている。

同氏はまた、欧州諸国に対して、被害を受けた施設を再建するための機材や部品の配送を急ぎ、また施設を無人機攻撃から守るための対策をとるように要請した。

なお、国連ウクライナ人権監視団のダニエル・ベル団長は19日、ロシアは今年3月から8月にかけて、ウクライナ各地のエネルギー施設に対して大規模な攻撃を9回にわたって実施したとし、これによりウクライナの冬季は4時間〜18時間の停電が続くおそれがあると発言していた