フォンデアライエン欧州委員長、EUによるウクライナのための「冬計画」を発表
欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は20日、欧州委員会が冬季のウクライナを支援するための計画を策定したと発表した。同計画は、エネルギーインフラの修理、ウクライナの欧州電力網へのさらなる統合、国内電力網の安定下に焦点が当てられているという。
キーウを訪れたフォンデアライエン欧州委員長がゼレンシキー宇大統領との共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
フォンデアライエン氏は、「委員会は、ウクライナのための冬計画を策定した。これは、私がブリュッセルにて、あなた方を支援しているファティ・ビロル国際エネルギー機関(IEA)事務局長と一緒に発表したものだ。委員会の計画は、3つの優先課題を中心に組み立てられている。1つ目は、私たちは、あなた方がロシアの攻撃でダメージを受けたものを修理するのを支援する。私たちには、今冬2.5ギガバイトの規模の発電量を再生する目的がある」と発言した。
その際同氏は、それによって来たる冬のウクライナのニーズの約15%を補うことになると指摘した。
同氏は、計画の第2優先課題は、ウクライナを欧州の電力網にさらに統合し続けることだとし、それによってウクライナへ2ギガバイトを輸出可能となり、それでウクライナの冬季のニーズの約12%を補えることになると伝えた。
そして同氏は、「この2本の柱、修理と統合により、私たちはウクライナのこの冬のニーズの約25%を補えるようになる。それは、ウクライナ自身の発電に加算されるものだ」と強調した。
加えて同氏は、第3の「柱」は安定下だとし、すなわちEUは、ロシアが大型インフラ施設を攻撃し続ける中で、ウクライナのエネルギーの流通の安定下を確保するために作業していくと伝えた。その際同氏は、活動例として、今まさにEUがウクライナへと移動式ガスタービンと太陽光パネルを発送する作業をしているところであると述べ、さらには自身もゼレンシキー大統領と発電所の物理的防護につき協議したと報告した。
その上で同氏は、「これがエネルギーインフラ支援の優先課題だ。財政については、私たちは、少なくとも20億ユーロをウクライナのエネルギー安全保障のためにすでに供与したし、加盟国による非資金型支援もある。例えば、1万台の変圧器や発電機、あるいはリトアニアから輸送されウクライナに建設されたリトアニア発電所などである。さらに増えていく」と発言した。
国連ウクライナ人権監視団のダニエル・ベル団長は19日、ロシアは今年3月から8月にかけて、ウクライナ各地のエネルギー施設に対して大規模な攻撃を9回にわたって実施したとし、これによりウクライナの冬季は4時間〜18時間の停電が続くおそれがあると発言していた。