「ウクライナからの小麦」取り組みにより2000万人を飢餓から救えた=ゼレンシキー宇大統領
ウクライナのゼレンシキー大統領は23日、同国が行っている人道支援の取り組み「ウクライナからの小麦」により、これまでに世界で2000万人の人々を飢餓から救うことができたと発言した。
ゼレンシキー大統領がキーウで開催された食料安全保障会議「ウクライナからの小麦」の際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ゼレンシキー氏は、「『ウクライナからの小麦』の実施期間を通じて、すでに2000万人の人々を飢餓から救うことができた。そして、それは私たちの人道プログラム1つのみを通じてだ。概して、ウクライナの食料輸出は、世界100か国の4億人の人々の生活を支えている。ウクライナは、食料安全保障の世界最大級のドナー国の1つである」と発言した。
また同氏は、ウクライナは戦時下であるにもかかわらず、世界の食料安全保障を確保する上で主導的な立場を維持していると指摘した。
その際同氏は、「私は、ロシアの全面侵攻が始まり、とりわけロシアがウクライナの港を艦隊によって封鎖したことを思い出してもらいたい。ロシアは、それによってどのような悪影響が出るかを非常によく理解していた。彼らはそれを望んでいた。ウクライナにとってだけでなく、世界中にとって恐ろしい結果が生じることを望んでいた。彼らは、世界で食料価格が高騰することを望んでいた。それは、単により多くの金と利益を求めるというのではなく、何よりも計画についてのことだ。彼らが食料災害を引き起こすことができれば、食料輸入に依存する国を支配できるというものだ」と説明した。
キーウで開催された第3回国際食料安全保障会議「ウクライナの小麦」 写真:大統領府
さらに同氏は、食料価格はアフリカの国々の人々の大半、アジア、欧州、アメリカの多くの人々にとって極めて機微な問題だと指摘した。
そして同氏は、「価格問題は、様々な地域においては安定の問題である。そのため、私たちが引き続き食料安全保障、食料やその他重要輸出品の供給ルートの安全を防衛する上で一緒にいることが非常に重要なのだ」と発言した。
その他同氏は、ロシアは対ウクライナ戦争によって、世界には互いに遠い国などなく、全てが非常に緊密に結びついていることを示したと指摘した。
そして同氏は、「リビア、ナイジェリア、その他のアフリカの国での食料価格は、ウクライナの農家や農業企業が当たり前に活動できるか否か、私たちがどれだけ迅速に平原のロシアの地雷を除去できるか、食料市場の通常の安定性をどれだけ迅速に回復できるかに直接的に左右されるのだ」と強調した。
その上で同氏は、戦時下で、土地に地雷が敷設されている中でも活動を続けた農家たちに謝意を伝えた。
なお、同日、キーウでは、第3回国際食料安全保障会議「ウクライナからの小麦」が開催されていた。