「汚職対策機関の独立性確保はウクライナの国際的義務」=G7大使
G7各大使からなる「ウクライナ・サポート・グループ」は、国家汚職対策機関(NABU)や特別汚職対策検察(SAP)など、ウクライナの汚職対策機関の独立確保は同国の国際的義務の中の重要要素であるとし、それら機関の長官選考は透明で、政治的中立な手続きで行われなければならないとする声明を発出した。
G7大使ウクライナ・サポート・グループがツイッター・アカウントに声明を掲載した。
声明には、「これら機関(編集注:NABUやSAPといった汚職対策機関)の独立性、一体性、強固な法的ステータスを確保することは、欧州連合(EU)との協力や、国際金融機関からの継続サポートのものを含む、ウクライナの国際的義務における重要要素である」と書かれている。
大使たちはまた、その確保はウクライナ国民の生活の質にとっても、ウクライナのビジネスや投資環境にとっても決定的に重要であると指摘した。
その上で、声明には、「G7大使たちは、汚職対策機関の長官が、透明で、能力に基づき、政治的に中立な手続きを通じて選考されることが不可欠であると強調している」と書かれている。
また、同ツイートにつき、マーシカス駐ウクライナEU大使は、「強力かつ独立した機構を伴う、汚職との闘いは、査証免除分野からマクロ財政支援にいたる諸分野におけるEU・ウクライナ協力の中心的部分だ」としつつ、G7大使の指摘した原則は、新しいSAP長の選考にたずさわる最高会議(国会)代表者選択にも適用される必要があると説明している。
これに先立ち、8月21日、ホロドニツィキーSAP長がヴェネジクトヴァ検事総長により解任されている。これを受け、今後新しいSAP長の選考が行なわれる。
また、8月28日には、ウクライナ憲法裁判所がNABUのアルテム・シートニク長官を任命した2015年の大統領令を違憲であるとする判決を下した。ただし、31日、NABUは、同判決後も、シートニクNABU長官は同職に残り続けるとの解釈を発表している。
なお、NABUは、政権高官の汚職犯罪の捜査に特化した治安機関。SAPは、NABUの捜査に限定した手続き管理と確立した犯罪容疑の起訴を行う検察機関。両機関とも、尊厳革命(マイダン革命)後の2015年に設立されている。