被占領地における露選挙実施は同国の犯罪として記録されている=ウクライナ外相

クレーバ外相は、ロシア連邦は被占領下ウクライナ領にて国家院選挙を実施したことで、国際法を著しく違反したことになると指摘した。

クレーバ外相が訪問中のニューヨーク市にて記者の質問を受けて発言した。

外相は、「現在私たちはロシアを止めることができない。それは厳しい現実である。しかし、被占領地でのロシアによる犯罪実行の証拠は確認している」と述べ、「いずれ、それら全ての証拠が、政治的にも司法的にも、ロシアに責任を負わせる上での基盤となる日が来る」と指摘した。

外相はまた、政治、特に国際政治は「長時間ゲームである」と述べつつ、ウクライナは、政治的、司法的に、ロシア連邦が犯している侵害の事実を口上書や採択文書に記録していると説明した。

今回のドンバスとクリミアにおける露国家院選挙の実施については、外相は、「(芝居の)小道具のようなもの」であり、現地勢力の合法化と見せびらかしのために行われたものだと指摘し、同時に、ウクライナにとってその選挙が意味を持つことはないと指摘した。

なお、ロシアでは、9月17日から19日にかけて国家院選挙の投票が行われた。

ウクライナ外務省は、その国家院選挙が被占領下ウクライナ南部クリミアでも違法に組織されていること、またウクライナ東部ドネツィク・ルハンシク両州一部被占領地の住民が強制的に選挙に参加させられていることに対して、強い抗議の意を表明している。

ウクライナ最高会議(国会)は、ロシアが国家院選挙に向け、一時的被占領下ウクライナ領でも違法に選挙準備をしていること、またドネツィク・ルハンシク両州一部被占領地域のウクライナ国民も投票に参加できるようにしていることから、同選挙の合法性を認めないよう国際社会に呼びかける決議を採択している。

ウクライナの国家安全保障国防会議(NSDC)は、一時的被占領下ウクライナ領クリミア・ドンバスにおけるロシア連邦国家院選挙の組織・実施に関わった人物に対して制裁を発動する決定を採択している。

欧州連合(EU)や米英トルコなどは、ロシア連邦が同国下院選挙を被占領下ウクライナ領クリミアでも実施したことや、その他野党勢力への攻撃などを批判している