ウクライナ国会、反ユダヤ主義防止法を採択
ウクライナ最高会議(国会)は22日、「ウクライナにおける反ユダヤ主義防止・対策」法を採択した。
関連法案第5109の採択に最高会議議員283名が賛成した(過半数は226)。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
同法案は、立法レベルで、反セム主義(反ユダヤ主義)の定義を確立した上で、その主な発露、反ユダヤ主義禁止の確立、反ユダヤ主義法違反の刑事責任を定めるもの。
同法案採択により、反ユダヤ主義はユダヤ人に対する嫌悪を発現させる特定の捉え方を指すものと定められる。とりわけ、ユダヤ人・非ユダヤ人、その資産、機関、ユダヤ人コミュニティの宗教関連に対する反ユダヤ主義的言動が対象となる。
反ユダヤ主義の主な発現として規定されるのは、ユダヤ系出自を各自が認める権利の否定;ユダヤ系出自の人々に対する殺人や損害を負わせる行動への呼びかけ、隠蔽、正当化;ホロコーストの否定;反ユダヤ主義的表現の含まれる物品の作成、配布、公の場での利用;ユダヤ出自の人物、コミュニティ、市民団体に属する施設、宗教・文化施設、埋葬地、記念碑等の意図的損壊となっている。
反ユダヤ主義法違反の罰則は、民法罰、行政罰、刑罰が定められる。また、被害者に対しては、物的・精神的損失に対する補償を得る権利が発生する。