バービン・ヤールの悲劇から80年経過 ウクライナ外務省、世界に対して追悼を呼びかけ
9月29日は、ナチス占領下のキーウ(キエフ)におけるユダヤ人を中心とする民間人の大量殺害「バービン・ヤール(バービー・ヤール)」から80年が経過することを受け、ウクライナ外務省は、国際社会に対して、追悼行事に参加することを呼びかけた。
ウクライナ外務省がバービン・ヤールの悲劇80年経過コメントを発出した。
コメントには、「9月29日は、ウクライナ史における悲しく、深い象徴的な日である。80年前のこの日とその翌日、ナチスの人々は、約3万4000人のウクライナのユダヤ人をバービン・ヤールで殺害した」と書かれている。
外務省は、バービン・ヤールの「死のコンベアー」は、キーウがナチスの占領から解放されるまで続いたとし、計10万人以上のウクライナ人、ユダヤ人、ロマ、その他の民族が命を奪われ、キーウのその場所は東欧のホロコーストの中心地の一つとなったと指摘した。また、第二次世界大戦を通じて、ナチスは、少なくとも150万人のウクライナのユダヤ人を殺害しており、それは欧州全体のホロコーストの犠牲者全体の4分の1であったと説明した。
さらにコメントには、ソ連時代、バービン・ヤールの悲劇については、沈黙され、回避され、人々の記憶から消し去ろうとされていたとし、ウクライナが独立してから、世界のユダヤコミュニティや国際パートナーと連携し、歴史的正義を回復し、バービン・ヤールの悲劇の周年はウクライナにて国家レベルで追悼が行われていると説明されている。
そして、外務省は、9月29、30日にバービン・ヤールの犠牲者共同追悼行事が開催されると伝えた。また、10月6日には、世界の指導者や国際機関代表者、ユダヤコミュニティ代表者、ホロコースト経験者、ナチス占領下でユダヤ人を救ったウクライナ人などの参加を得た上で追悼行事が開催されると説明している。
その上で外務省は、国際パートナーに対して、バービン・ヤールの共同追悼行事に参加し、歴史上の真実と正義を復活させ、確実なものとする努力に加わるよう呼びかけた。