米国はロシアがエネルギーを過去同様に武器として利用する可能性を排除していない=ブリンケン米国務長官
米国は、ロシアによるエネルギーを武器や政治の道具として利用の兆候を注意深くフォローしている。
10日、ブリンケン国務長官が、クレーバ・ウクライナ外相とのウクライナ・米国戦略的パートナーシップ憲章署名後の記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
長官は、「私たちは、過去に、ロシアがエネルギーを武器や政治の道具として利用するのを見てきたのであり、私たちは、その努力が繰り返され得るあらゆる兆候を非常に注意深くフォローしている」と発言した。
また長官は、独露間新天然ガスパイプライン・プロジェクト「ノルド・ストリーム2」に関して、米独間に「非常に重要な共同声明がある」と述べ、同声明は、エネルギー安全保障とウクライナの立場を強化するための努力が記されていると指摘した。
長官は、メルケル独外相が、ノルド・ストリーム2がウクライナを通じた輸送の代わりになるものではないことを理解させるべく、あらゆることを行うと公に発言したことを喚起し、その上で、「私たちは、ドイツがその義務を履行することを期待している」と発言した。加えて長官は、「必要となれば」「もしロシアがエネルギーを武器として利用しようとしたり、ウクライナに対してさらに攻撃的行為を行おうとしたりした場合は」メルケル独首相は迅速に方策を取ることが義務付けられていると発言した。
長官は、「米国もドイツも関連の方策を取ることが義務付けられている」と指摘した。
これに先立ち、7月21日、米国とドイツは、独露間海底ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」に関する合意を発表していた。ロシアが同パイプラインをウクライナに対して武器として利用した場合には、ドイツが一国で対応する他、欧州連合(EU)に対して制裁を含めた効果的方策を採るよう要請することになる。
なお、11月10日、ワシントンにて、ウクライナ・米国戦略的パートナーシップ委員会会合が開催され、クレーバ外相とブリンケン米国務長官が戦略的パートナーシップ憲章に署名した。