ゼレンシキー宇大統領、バイデン米大統領と電話会談=ウクライナ大統領府発表

ウクライナのゼレンシキー大統領は9日、バイデン米大統領と電話会談を行い、7日の米露首脳会談の結果などについて協議した。

ウクライナ大統領府広報室が伝えた

発表によれば、協議の主要テーマは、ウクライナ周辺の治安状況と平和的情勢解決の活性化の展望だった。

両者は、米露首脳会談の展開と結果につき意見を交換した。

ゼレンシキー大統領は、バイデン米大統領に対して、ウクライナの主権と領土一体性への一貫した強力かつ断固とした支持につき謝意を述べ、またドンバス地方の平和達成に向けた手段を模索する揺らがぬ意志があることを認めた。

双方は、同件に関して、今後の行動に向けた立場を調整した。ゼレンシキー大統領は、ウクライナ側は和平プロセスの障害を除くための明確な提案を持っており、それを様々なフォーマットで協議する準備があると強調した。

両首脳はまた、現在のハイブリッド攻撃に対抗することを目的とした、ウクライナを支える安全保障面、財政面、政治面の手段について具体的に協議を行った。

加えてゼレンシキー大統領は、ウクライナのエネルギー安全保障問題に注意を向け、ウクライナ側は独露間新天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」をエネルギー安全保障の観点でのみ見ており、同パイプラインを推進することは、ウクライナからロシアの侵略を抑止するための重要ファクターを剥奪することになると強調した。

両者はまた、ウクライナのエネルギー強靭性を強化するために行い得る具体的行動について協議した。

これに先立ち、ウクライナ国防相は、ロシア軍の侵攻の可能性があるのは1月末であり、現在ロシア軍部隊兵力9万3200人が国境沿いや被占領地に集結していると発表していた。米ワシントンポストは、米情報機関の情報として、現在集結している露軍兵力は約7万と評価しつつ、1月にはこれが約17万5000人、大隊戦術群100個にまで増えた上で侵攻が始められる可能性があると報じた。他方で、ロシア政権は、侵攻計画を否定しており、ウクライナの武装を認めているとして欧米諸国を非難している。

バイデン米大統領は7日、プーチン露大統領とオンライン協議を行い、ウクライナ周辺のロシア軍の増強につき、各国の懸念を伝えていた。