バイデン米大統領「ウクライナ抜きでウクライナに関する決定も議論もしない」原則を確認
バイデン米大統領は9日、ゼレンシキー・ウクライナ大統領との電話会談の際、ウクライナに関する全ての決定はウクライナ抜きで採択れることはないとする原則を確認した。
米ホワイトハウスが両大統領の電話会談の結果を発表した。
発表には、「バイデン大統領は、米国とその同盟国・パートナー国が『ウクライナ抜きでウクライナに関する決定も議論もしない』という原則にコミットしていることを明確にした」と書かれている。
また、発表によれば、両大統領は、ロシアに対して緊張緩和を呼びかけた他、紛争解決において意味ある進展を生み出すには外交が最善の手段であるとの点で意見が一致した。
バイデン大統領はまた、ノルマンディ・フォーマットに支えられた上でのミンスク諸合意の履行を進める信頼情勢手段のサポートに参加する準備があることを強調した。
また、サキ米大統領報道官は、バイデン米大統領は同電話会談時にプーチン露大統領との協議について報告し、また「ウクライナの主権と領土一体性へのサポートを強調した」と伝えた。
サキ氏は、これに先立って行われた6日のブリンケン米国務長官とゼレンシキー宇大統領の電話会談時、ブリンケン氏もまた同様の立場を確認しており、米露首脳会談後も米国のウクライナ支持の立場は変わっていないと強調した。
同氏は、バイデン米大統領はまた、ロシアが軍事エスカレーションを行った場合、ロシアに対して深刻な返答を行う準備があると発言した。
そして、同氏は、「私たちは、ウクライナ側と多くのレベルで緊密なコンタクトを維持しており、ウクライナ政府の高官と日常的にコンタクトを取っている」と発言し、米宇首脳会談もその連携プロセスの一部だと指摘した。
なお、ゼレンシキー大統領とバイデン米大統領の電話会談については、ウクライナ大統領府も発表を行っている。
発表によれば、協議の主要テーマは、ウクライナ周辺の治安状況と平和的情勢解決の活性化の展望だったという。
これに先立ち、ウクライナ国防相は、ロシア軍の侵攻の可能性があるのは1月末であり、現在ロシア軍部隊兵力9万3200人が国境沿いや被占領地に集結していると発表していた。米ワシントンポストは、米情報機関の情報として、現在集結している露軍兵力は約7万と評価しつつ、1月にはこれが約17万5000人、大隊戦術群100個にまで増えた上で侵攻が始められる可能性があると報じた。他方で、ロシア政権は、侵攻計画を否定しており、ウクライナの武装を認めているとして欧米諸国を非難している。
バイデン米大統領は7日、プーチン露大統領とオンライン協議を行い、ウクライナ周辺のロシア軍の増強につき、各国の懸念を伝えていた。
写真:ホワイトハウス