2日のゼレンシキー・バイデン首脳会談は1時間半強行われた=ウクライナ大統領府発表
ウクライナ大統領府は3日、前日に行われたゼレンシキー大統領とバイデン米大統領の電話会談は、1時間半強行われたと報告した。同電話会談にて、ゼレンシキー大統領は、ロシアがウクライナに再侵攻した際に米国が断固として行動する準備があることを示したことにつき、謝意を伝えた。
3日、ウクライナ大統領府広報室が電話会談の結果詳細を発表した。
発表によれば、「協議の重要テーマは、東部と我が国の国境の状況」だったという。
ゼレンシキー大統領は、バイデン米大統領が「ウクライナ抜きでウクライナについては何も(編集注:決めない・議論しない)」の原則を維持していること、並びに、ロシアがウクライナに対して侵略した場合に、米国に断固とした方策をとる準備があることにつき、謝意を伝えた。
両者は、ウクライナがミンスク・フォーマットとノルマンディ・フォーマットの枠内で行う行動につき協議した他、今後の外交的努力が重要であることを強調した。
ゼレンシキー大統領は、「現在の話は、ウクライナのみの未来に関係しているのでなく、欧州の安全保障、ルールと民主的価値に基づいた世界秩序に関係していることである」と指摘した。
ゼレンシキー大統領は、東部と国境の情勢解決プロセスにおける米国による積極的な役割を歓迎し、2022年1月に予定されている国際法的行動の重要性を指摘した。
さらにゼレンシキー大統領は、「ウクライナ・NATO委員会会合を近日中に開催するとの私たちの提案を米国が支持したことを高く評価する」と発言した。
その他、両首脳が経済・エネルギー安全保障上の挑戦についても協議したことが発表された。ゼレンシキー大統領は、ウクライナの経済改革面の進展や、安定性強化、脱オリガルヒを目的とした方策について報告した。
米国からは、ウクライナの主権・領土一体性、欧州統合願望への不変の支持が確認された。
大統領府は、宇米首脳電話会談は1時間半以上行われたとし、また同会談最近で3回目の宇米首脳会談だと伝えた。
なお、これに先立ち、ホワイトハウスが同電話会談についての結果を発表している。
同発表では、バイデン米大統領が改めて、米国とその同盟国・パートナー国が「あなた抜きであなたのことは何も(編集注:決めない・議論しない)」との原則にコミットしていることを強調したことが伝えられている。
なお、前回の米宇首脳電話会談は、12月7日の米露首脳オンライン会談後となる、12月9日に行われた。その際も、バイデン大統領は、米国とその同盟国・パートナー国が『ウクライナ抜きでウクライナに関する決定も議論もしない』という原則にコミットしていることを確認している。
今回の米宇首脳電話会談もまた、12月30日の50分間の米露首脳電話会談の開催を受けて行われたもの。なお、これら米露首脳会談の前には2回とも、ブリンケン米国務長官がゼレンシキー宇大統領と電話会談を行っている。
写真:大統領府