「冷戦とともに影響圏の時代は終わった」=クレーバ宇外相
ウクライナのクレーバ外相は、プーチン露大統領による、米国、北大西洋条約機構(NATO)、欧州連合(EU)に対する、ロシアの影響圏を認めさせようとする要求は国際平和と安全に害をもたらすものだと主張した。
9日、クレーバ外相がツイッター・アカウントに書き込んだ。
クレーバ外相は、「ありのままに言おう。プーチンは、米国、NATO、EUに対して、主権ある隣国へのロシアの影響圏を受け入れるように要求している。しかし、冷戦は終わったのであり、影響圏もまた終わったのだ。プーチンの要求は不法であり、国際平和と安全に害なすものである」と主張した。
これに先立ち、ロシア連邦外務省は12月17日、ロシアと米国、及び、ロシアと北大西洋条約機構(NATO)の間の合意文書案を公開していた。同案には、ウクライナのNATO非加盟要求が含まれている。
1月9、10日、米露代表者がジュネーブにて安全保障戦略対話を行う。その後、12日にNATOロシア理事会会合が、13日には欧州安全保障協力機構(OSCE)常設理事会会合が開催される。
これに並行して、10日、クレーバ外相は、NATOウクライナ委員会会合に出席する。
7日、ストルテンベルグ北大西洋条約機構(NATO)事務総長は、2008年のNATOブカレスト首脳会談時の将来のウクライナとジョージアの加盟を認める決定が現在も有効であること、またNATOのオープンドア政策は、スウェーデンやフィンランドなど他の国にも該当するものであると発言した。同時に同氏は、更なる紛争が生じる可能性は現実的であり、外交がうまくいかなかった場合に備える必要があるとも述べている。
同日、ブリンケン氏は、「ウクライナで起きていることは、ウクライナだけに関係するのではない」とし、ロシアはかつてソヴィエトの支配下にあった国々を覆う影響圏の建設に努めており、それらの国が完全に主権的で独立した国家として、民主的な願望を実現することを阻止しようとしていると指摘している。
9日、ジョセップ・ボレル欧州連合(EU)上級代表は、ロシアはウクライナ東部紛争の仲介者ではなく、紛争当事者であり、またウクライナに関する議論はいかなるものもウクライナが席についていなければならないと発言している。