ウクライナ外務省、カザフスタンにおける暴力を非難 外国軍展開にコメント

ウクライナ外務省は10日、カザフスタン情勢に関する声明を発出し、同国で起きている暴力を非難した上で、ロシアを中心とする同盟「集団安全保障条約」(CSTO)による外国軍部隊の同国への展開にコメントした。

ウクライナ外務省声明がウェブサイトに掲載された

外務省は、カザフスタンの複数都市で多くの犠牲者を生み出した暴力を非難した他、カザフスタン国民に死者が出ていることにつき哀悼の意を表明した。

また声明には、「この危機的な時期、カザフスタンの人々にとって極めて重要なことは、情勢沈静化とさらなる暴力回避のために最大限の方策を取り、人権遵守を保証し、重要インフラ施設と通信システムの稼働再開を確保することである」と書かれている。

同時に外務省は、ロシア軍部隊が支配的な役割を担う外国軍部隊のカザフスタン領への展開に注意を向けたとし、「外国軍部隊は、カザフスタンの独立、主権、国内法、そして国際法を尊重しなければならず、それらの駐留は宣言されている制限された期間を超えるべきではない」と主張した。

さらに外務省は、カザフスタンに滞在するウクライナ人の利益を守り続けるとし、とりわけウクライナへの帰還促進を行っていくと伝えた。

なお、9日、ウクライナ外務省のニコレンコ報道官は、駐カザフスタン・ウクライナ大使館はカザフスタンから出国できずにいるウクライナ国民の帰還に向けた支援を行っていると発表していた。とりわけ、アルマティ国際空港はCSTO加盟国の軍用機が利用しており、民間機の利用ができず、現在116名のウクライナ国民が出国できずにおり、彼らには臨時の居住地と食料が提供されていると伝えていた。同時に、9日、キーウ郊外のボリスピリ国際空港には、ウクライナ国籍者やカザフスタン国籍者を乗せたヌルスルタン・キーウ便が到着している。