米専門家、プーチン露大統領が危機を「作り出している」理由を指摘
アレクサンダー・ヴァーシュボー元北大西洋条約機構(NATO)事務次官(2012〜2016)(元米国防次官)は、ロシアは、自国の対ウクライナ政策が敗北したことを理解しているから、危機を発明し、量産しているのだとの見方を示した。
12日、ヴァーシュボー氏がキーウ(キエフ)安全保障フォーラム主催のオンラインディスカッション「西側対ロシアの協議 クレムリンの新たな侵攻は止められるか?」の際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ヴァーシュボー氏は、「私は、ロシアが急いでいる理由は、自分たちの対ウクライナ政策が敗北したことを知っているからであり、ウクライナがさらに西側に近づいていることを心配しているからだと思っている。ウクライナは欧州連合(EU)との関係を深めており、将来の潜在的加盟についても話されている」と発言した。
そして同氏は、それによりロシアは「ウクライナを服従させる」ための基盤を失いつつあるために、危機を量産したり、発明したりせざるを得なくなっているのだと指摘した。
さらに同氏は、「彼らは西側が有す『戦争に対する恐怖』を利用したがっている。彼らは、北大西洋条約機構(NATO)に均衡の取れた決定を採択させまいと、現在の状況、戦争に関するレトリックを振り回し続けている」と発言した。
その他、同フォーラムに出席した、ジョン・ハーブスト元駐ウクライナ米大使もまた、ロシアは敗北しつつあると述べつつ、同時に、その敗北とはウクライナ東部の衝突ライン上でのことだと指摘した。同氏は、攻撃型無人機「バイラクタル」の役割を指摘した上で、「結果的にはウクライナが勝っており、ロシアは損失を被っているのであり、現在プーチンは新たな優位を必要としている。彼は、筋肉ゲーム(編集注:武力を用いた駆け引き)をすることで、何らかの優位と、西側から何らかの妥協を得ることを期待しているのだ」との見方を示した。
ハーブスト氏は、その上で、ロシアとはより断固として話すべきであるとし、現段階ですでにウクライナやバルト諸国に武器を供与すべきだと強調した。