露大統領報道官、プーチン大統領への制裁は「馬鹿げた方策」だとコメント

ペスコフ露大統領報道官は、ウラジーミル・プーチン露大統領への個人制裁発動は、「馬鹿げた方策」だと発言した。

露コメルサント紙が報じた

ペスコフ氏は、「もう一度言うが、国家元首、ロシアのトップに制裁を発動するというのは、関係断絶と比較可能な、馬鹿げた方策である」と発言した。

同氏はまた、記者からの質問に答える形で、対露政策、プーチン露大統領に対する政策が発動された場合には、その報復として、バイデン米大統領に対する制裁が発動されると述べた。

その他同氏は、独露間新天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」は商業プロジェクトであり、同パイプラインを安全保障と結びつけるのは、「馬鹿げたこと」だと発言した。

これに先立ち、米上院民主党議員は12日、ロシア連邦がウクライナに更なる侵攻に踏み切った場合にロシア政権高官に対して制裁を発動する法案を発表していた。これは、独露間新天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」への制裁を含む共和党の法案への対案となる。

1月14日には、対案となるクルーズ共和党議員の対ノルド・ストリーム2制裁法案の投票が行われる見込みとなっている。しかし、ホワイトハウスと米議会議員の一部は、ロシアの再侵攻が起きるかどうかにかかわらず、法律への署名から15日後に発効することになっているクルーズ共和党案に反対している。これら反対者たちは、共和党案は米国の欧州の同盟国の団結を弱体化させる、制裁はガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」停止にはほとんど影響がないと主張している。彼らは、ロバート・メネンデス上院外務委員長による民主党対案を支持するよう提案している。

これまでに民主党議員の20名以上がメネンデス民主党案へすでに署名をしている。クルーズ共和党案が上院で採択されるには少なくとも10名の民主党議員からの支持が必要となるが、民主党が優勢な米下院で同案が採択される見込みはほとんどない。

民主党案は、ロシアが「ウクライナで」あるいは「ウクライナに対して」、軍事あるいは敵対的行動に踏み切った場合に、プーチン露大統領を含むロシア政権高官への個人制裁、同国銀行分野への制裁を発動することを定めている。さらに、ウクライナに対して5億米ドルの安全保障分野の追加支援供与を提案している。

これに対して、共和党議員は、制裁によってノルド・ストリーム2を停止することができると主張しており、また、バイデン米大統領がドイツとの関係調整を求めて、ノルド・ストリーム2への制裁を解除したとして、バイデン大統領のロシアへの姿勢を非難している。

なお、ノルド・ストリーム2への制裁は、今年の国防権限法の採択前法案に含められていたが、最終採択前に、同条項は削除されていた。