マクロン仏大統領はキーウで「ウクライナ中立化」問題を提起しなかった=クレーバ宇外相

ウクライナのクレーバ外相は、マクロン仏大統領はキーウ(キエフ)訪問時に、ウクライナの軍事的中立化問題は提起しなかったと発言した。

9日、クレーバ外相がウクルインフォルムでの記者会見時にウクルインフォルムの記者の質問に答える形で発言した。

クレーバ氏は、「昨日(8日)、ウクライナの欧州大西洋願望(編集注:北大西洋条約機構(NATO)加盟方針のこと)拒否問題は提起されなかった」と発言した。

同氏はまた、ウクライナ・フランス両首脳間の対話は非常に具体的なものだったとし、「しかし、明言する。『裏切り行為』(編集注:国民の意思に反する行為の意)は一切なかったし、そもそもそれはあり得なかった。なぜなら、ウクライナ大統領が国益を非常に明確に認識し、防衛しているからだ」と強調した。

さらに同氏は、マクロン仏大統領本人が三者コンタクト・グループ(TCG)の機能の細部について非常に深く把握しており、TCGの活動の障害を取り除くために何をすべきかもよく理解していたことに、感銘を受けたと発言した。

同氏は、「それは、彼(マクロン仏大統領)が本当にこの問題を、表面的ではなく、熟知しているということであり、心から解決策を見つけ出そうとしていることの証拠である」と強調した。

また、記者から、仏大統領はキーウにどのような提案を持ってきたのかと尋ねられると、クレーバ氏は、「マクロン大統領は、提案ではなく、アイデアとともにやってきたのだ」と回答した。

同氏は、「現在、私たちがいるのは、関係者が、互いに対話しながら、状況を袋小路から脱出させるために必要な、あり得る妥協とステップの幅を最大限理解しようとしている局面である。(中略)昨日は、アイデアの議論が行われた。しかし、それは具体的な提案の議論ではなかった」と発言した。

これに先立ち、7日、マクロン仏大統領はモスクワでプーチン露大統領と会談した。その後、8日、マクロン氏は、キーウを訪れ、ゼレンシキー大統領と会談した。フランス大統領のウクライナ訪問は24年ぶりだった。ゼレンシキー大統領は、ウクライナ東部情勢解決プロセスがマクロン氏との重要議題の一つであったとし、独仏宇露4国からなるノルマンディ・フォーマットの首脳会談が近々開催されることへの期待を表明した。

また、10日、ベルリンにて、ノルマンディ・フォーマット首脳補佐官級会合が開催される。ウクライナを代表するイェルマーク大統領府長官は、同国は同会合にてロシア・ウクライナ・欧州安全保障協力機構(OSCE)からなりミンスク諸合意履行協議を行うTCGでの活動にとっての障害を取り除くことが目的の一つだと指摘している。