ノーベル平和賞受賞者、ロシアは国連安保理から除外すべきと主張
ノーベル平和賞受賞者であり、ウクライナの人権保護団体「市民自由センター」の代表を努める、オレクサンドラ・マトヴィーチューク氏は、ロシアは国連安全保障理事会から除名すべきであり、そのための法的機会はあると発言した。
マトヴィーチューク氏が、ウクルインフォルムへのインタビュー時に発言した。
12月26日にウクライナ政府がロシアから国連安保理常任理事国の地位を剥奪し、国連自体から除名することを目的とした包括的プロセスを開始したと発表したことに関連し、ウクルインフォルムの記者がロシアを国連安保理から除名できるのか、誰が除名や常任理事国地位の剥奪を決定するのかと質問すると、マトヴィーチューク氏は、「同国の除名は必要であり、それを行うための法的可能性はある。国連総会での投票機会があるのだ。しかし、それは、私たちが除名のために少なくとも3分の2の国の票を集めねばならないことを意味する」と発言した。
同氏はまた、「それは行う必要がある。なぜなら、第二次世界大戦後に戦勝国によって作られたシステムは、個別の国々に正当化できない免罪符を与えてしまったのであり、それらの国々がそれを用いることで、国連憲章のあらゆる規範と精神と反対の方向に物事が進むようになってしまった。つまり、私たちは、(国連)総会参加国が『否、その機構は機能していない、その安保理は自らの機能を果たしていない、安保理は安全を保障していない、安保理は人々への支援の問題や戦争犯罪者への懲罰問題も解決できない』と言うような状況を必要としているのだ」と発言した。
さらに同氏は、国連安保理は複数回、シリアで民間人に対して犯罪を行った人物を国際刑事裁判所への引き渡しの提案を審議したが、安保理の複数の国がその引き渡しに常に拒否権を行使したことを喚起し、「つまり、そのようなことにすら安保理は能力がないのだ。国連安保理は機能していない」と指摘した。
そして同氏は、「ウクライナの専門家による非常に優れた研究がある。彼らは、国名や憲法が変わった場合の類似の状況下で他の国との間では行われたような投票が、安全保障理事会にソ連としてではなく、ロシアとして入る前には行われていなかったというシンプルな事実に注意を向けた。ロシアに関しては、それ(編集注:国家体制変更時の国連加盟手続き)が遵守されていなかったのだ」と発言した。
同時に同氏は、「しかし、問題は当時の加盟権の話はそれはそれで重要だが、問題はそこではなく、現在、ロシアは国連安保理の一員ではあってはならないという点にある」と強調した。
これに先立ち、26日、ウクライナ外務省は、国連安全保障理事会におけるロシアの常任理事国地位の剥奪と国連からの同国の除名を目的とする包括的プロセスを主導すると発表していた。