ロシアはもはや黒海を拠点として利用できていない=ゼレンシキー宇大統領

ウクライナのゼレンシキー大統領は16日、ロシアはもはや黒海を自らの拠点として利用することができておらず、ウクライナはパートナー国の助けを得て主導権を握り、ロシアを黒海にて追いやっていると発言した。

黒海経済協力機構(BSEC)議員総会会合でのオンライン演説の際に発言した。大統領府広報室が伝えた

ゼレンシキー氏は、黒海にて世界で初めて無人水上艇からなる艦隊が活動し始めたとし、それはウクライナの艦隊だと発言した。

その際同氏は、「私たちの行動の主要な結果の1つを指摘したい。ロシアは、黒海を世界の他地域不安定化のための拠点として利用できなくなっている」と発言した。

また同氏は、黒海地域にこそ世界の安全の基本の1つがあるのであり、黒海経済協力機構(BSEC)の国々の協力は拡大していかなければならないと強調した。

加えて同氏は、ロシアのルールに基づいた国際秩序に対する侵略の重要要素の1つが黒海地域における侵略となったとし、「正にここの私たちのクリミアにおいて、ロシアは、様々な人々の当たり前の生活を破綻させるために、何年にもわたり軍事拠点を利用してきたのだ」と発言した。

そして同氏は、ロシアは2008年のジョージア侵略にも、シリアをはじめとする中東の混乱にも黒海を利用してきたのであり、「制圧したクリミアからウクライナと全欧州に対してハイブリッド戦争を仕掛けてきた」と伝えた。

加えて同氏は、2022年2月24日の全面戦争開始の際、ロシアは黒海地域を武器に変えようと試みたとし、しかもそれはウクライナに対してだけではなく、海洋港を封鎖し、ウクライナの港湾・輸出インフラを意図的に破壊することで、世界の食料市場を破壊して、それを通じて世界の様々な場所で新たな混乱を誘発させることが狙いだったと指摘した。

その上で同氏は、「私たちの協力のおかげで、それら全ては止まっている。お願いだ、私たちが全面戦争の間に皆で一緒に達成したことを見て欲しい」と呼びかけた。

同氏は、パートナーの支援を受けた上での黒海地域の人々の協力は世界の食料市場に安定を取り戻すことのできるものであり、それはつまり、モロッコから東南アジアまでの何十もの国の人々の当たり前の生活を守ることができるものだと指摘した。

その際同氏は、「私たちは黒海の西側の防衛を確保することができ、現在それにより私たちの海洋貿易航路が機能している。ドナウ地域が新たな重要性を得ており、同地域もまたグローバルな安全保障にとって重要だ」と強調した。

その他同氏は、黒海地域の国々に対して謝意を伝えた。同氏は、「私は、地域の隣国に感謝している。トルコ、ブルガリア、ルーマニア、モルドバには、あなた方ががグローバル安全保障の側にいることについて感謝している。私は、公正な平和の回復とロシアのとりわけ黒海での攻撃的プレゼンスの解体は、ジョージアの領土一体性回復にも役に立ち、コーカサスの全ての国々の国家安全保障のさらなる保証も作り出すと確信している」と発言した。