ロシアは現段階ではウクライナの「平和サミット」に招待されない=スイス政府
スイス政府は、6月中旬にスイスで開催される、ロシア・ウクライナの間の平和達成を促進することを目的として開催される和平協議への160以上の代表団の中に、「現時点では」ロシアは含まれていないと発表した。
ロイター通信が報じた。
スイス政府の発表には、「スイスは、ロシアがこのプロセスに関与しなければならないと確信している。ロシア抜きの和平プロセスは考えられない」と書かれている。
また、スイスは、ロシアを招待することに常に前向きだとしつつも、しかし、ロシアがこの第1回首脳会談に参加する気はないと繰り返していると指摘した。
ロイターは、ロシア高官が、スイスが欧州連合(EU)によるウクライナ侵攻関連の対露制裁を支持していることを指摘しており、それによってスイスに対して中立的な仲介人としての信頼が不足していると主張していると伝えた。
スイス政府は、長続きする平和のための枠組みを作り、またロシアの和平プロセス参加のためのロードマップを作ることがサミットの目的だと指摘した。
これに先立ち、ウクライナのゼレンシキー大統領は、6月にスイスで開催される「平和サミット」にて世界の主要な国々が一致することになる各種決定について、「サミット」後にそれにつきロシアと協議するためのフォーマットが見出されることになると発言していた。
スイス政府は4月10日、今年の6月15、16日に、ロシアからの全面侵略を受けるウクライナの平和達成を目指す「平和サミット」を主催すると発表していた。
ウクライナのゼレンシキー大統領は3月20日、「ルールに基づいた国際秩序」を重んじる世界の国々に対して、ウクライナがスイスとともに準備している「グローバル平和サミット」に招待している。
ウクライナは、現在のロシア・ウクライナ戦争の和平案として10項目からなる「平和の公式」を推進している。「グローバル平和サミット」は、同案の実現に向けて開催される首脳会談。
欧州連合(EU)のボレル外務・安全保障政策担当上級代表は4月18日、6月の平和サミットの際には、国際社会がロシア・ウクライナ戦争の終結のあり方について自らの視点を調整することになると指摘した。また同氏は、その際には、ロシアが侵略国であることは忘れてはならず、公正な平和はウクライナの条件の下でのみ可能だと発言した。
写真:ゲッティ