国際法廷がケルチ橋解体をロシアに義務付けるべき=ウクライナ代表

3日、ハーグで開かれている国連海洋法条約(UNCLOS)に従った黒海、アゾフ海、ケルチ海峡におけるロシアのウクライナの主権侵害に関する仲裁裁判「ウクライナ対ロシア」にて、ウクライナのゾロタリョヴァ代表は、法廷がケルチ橋の解体をロシアに義務付けるべきだと主張した。

ゾロタリョヴァ氏が公聴会で発言した。ウクルインフォルムのハーグ特派員が伝えた。

ゾロタリョヴァ氏は、「法廷がいわゆる『ケルチ橋』の解体撤去をロシアに義務付けねばならない。橋の解体が、過去に海峡を利用していた全ての国の船と、未来に海峡を利用するに全ての国にとっての通行を回復する唯一の手段である。ロシアはその橋を違法に建設したのであり、今同国は、ケルチ海峡を国際法に従って通行できるようにすべく、その橋を取り除かねばならない。ロシアは、UNCLOSのその他の海洋環境保護や水中文化遺産保護の義務に従っても、それを実行せねばならない」と発言した。

ゾロタリョヴァ氏はまた、ロシアは国連海洋法条約に批准することで、海洋法規範を遵守することに同意したのだと指摘した。

さらに同氏は、「過去2週間が示したように、ロシアは自国の利益のためにその義務に違反し、航行の自由への尊重、海洋環境の保護、水中文化遺産保護という自らの国際法上の義務を無視している。私の同僚であるコリネヴィチ特命大使が公聴会の冒頭で述べたように、ロシアは『欲しい物を違法に手に入れ、国際法を自分好みに書き換え、その後、法廷、法廷に似た物に、自らが述べること全てを認めるよう要求している』。私たちは、本法廷に対して、ロシアに対して、『もう十分だ』と述べることを求める。私たちはあなた方に、全人類の共通の利益の保護のために作られた海洋法の方規範を遵守してもらいたいのだ」と発言した。

また同氏は、ロシアに対して同国が国際法に違反していると言うだけでは不十分だとし、ロシアに対しては、将来にわたって違反を繰り返さないという保証を提示することを命令しなければならないと指摘した。さらに同氏は、ロシアに対して、違法な行為を停止するよう、また違法な行為の悪影響を取り除き、ロシアが奪い、旗を付け替えた掘削装置の登録を無効化するよう命じなければならないと伝えた。加えて同氏は、ロシアは、ケルチ海峡における自らの建設プロジェクトが海洋環境にもたらす影響についての関連分析を実施することが命令されねばならない、それらプロジェクトによって引き起こされた環境破壊を是正するための方策をとること、その環境破壊の継続的なリスクを調査することが命令されるべきだと主張した。

これに先立ち、9月23日、オランダ・ハーグの平和宮にて、1982年付国連海洋法条約(UNCLOS)に従った沿岸国の権利侵害に関する「ウクライナ対ロシア」裁判の提訴内容に関する公聴会が始まっていた

本件は、2016年9月14日、ウクライナが、ロシア連邦に対して、後者の国連海洋法条約(UNCLOS)への違反に関する訴訟を主導し、ウクライナの黒海、アゾフ海、ケルチ海峡におけるウクライナの権利の確認を求めているもの。

2017年5月にUNCLOSに則った第一回手続会合が開催されており、その際に仲裁裁判所が設置された。

覚書と呼ばれる、ウクライナ側が提出した証拠に関する文書のパッケージには、黒海、アゾフ海、ケルチ海峡におけるロシアのウクライナの主権侵害の事例が掲載されており、2018年2月19日に同仲裁裁判所に提出されている。ロシア側は、本件に関する同裁判所の管轄権を否定する立場を同裁判所に提出している。