「ウクライナは主権と領土に関する譲歩を一切受け入れない」=シビハ宇外相
ウクライナのシビハ外相は19日、生き残りをかけた困難な戦いを続けている同国は、主権や領土一体性に関する譲歩からなるイニシアティブを一切受け入れないと発言した。
シビハ外相がワシントンでのヘルシンキ委員会会合でのスピーチの際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
シビハ氏は、「私たちはウクライナで、生き残りをかけた実存的闘争という状況においては、中途半端な解決策の場所がないことを知っている。中途半端な方策は、妥協的な結果しかもたらさない。しかし、生か死かという状況下において、中途半端は、生ではなく、死なのだ」と強調した。
また同氏は、ウクライナの状況は、単なる2国間の紛争ではなく、1国のもう1国に対する侵略であると喚起した上で、「そこには引き分けはあり得ない」と発言した。
さらに同氏は、現場において、「平和の公式」と、ウクライナにおける包括的で公正かつ永続的な平和の復活に代替はあり得ないと強調した。
そして同氏は、「プーチン・ロシアのように残虐で無法な体制と対峙した以上、力を通じた平和の代わりはあり得ない。ウクライナは、私たちの主権と領土一体性に関する譲歩を想定するイニシアティブを一切受け入れない。私たちは、私たちの参加なくして策定されたイニシアティブを一切受け入れることはない。ウクライナ抜きにウクライナに関しては何も(編集注:決定されたり協議されたりしてはならない、というスローガン)だ」と発言した。
その他同氏は、ウクライナは「平和の代わりに領土」という合意は一切受け入れないと繰り返し、そのようなアイデアは、数百万人の人々が侵略国の手中に残されることを意味し、彼らがジェノサイド、拷問、抑圧を受けることになると指摘した。
加えて同氏は、「ロシアに新しい領土を与えることが、平和を回復することはなく、むしろさらなる侵略を誘発することになろう。それは、宥和策であって平和ではない。過去において、宥和がうまくいったしたことは一度もないし、今もうまくいかないだろう」と強調した。
同時に同氏は、ロシアは平和を回復する意向を示しておらず、最後通牒の言語で話しながら、毎日毎晩ウクライナを攻撃し続けていると指摘した。
そして同氏は、「強く覚悟のある方策のみが侵略国を公正な平和に同意させるのだ。プーチンにとってのこの戦争の代償を、侵略を続けることができないと彼が理解する水準まで上げねばならない」と呼びかけた。
また同氏は、ウクライナの人々は戦争のために最も高い代償を払っているが、宥和はそれよりも高くつくと指摘した。そして同氏は、だからこそウクライナと世界は真の平和を必要としているのであり、どんな代償を払ってでも平和が必要なのではないと伝えた。
その上で同氏は、「団結し、強くあろうではないか。ヘルシンキ最終文書やその他の基本的文書にうたわれている私たちの共通の価値を守るべく、一緒に行動しようではないか」と呼びかけた。