ウクライナはシリアに安全保障分野の経験を共有する準備がある=シビハ宇外相

ウクライナのシビハ外相は30日、ウクライナはシリアに安全保障分野の経験と証拠収集、捜査、戦争犯罪人の責任追及作業の経験を共有する準備があると発言した。

ダマスカスを訪問したシビハ外相がシリアのアサド・ハッサン・アル=シャイバニ外相との共同記者会見時に発言した。

シビハ氏は、ウクライナ人とシリア人は過去何年もロシアとイランという悪の体制からひどく苦しめられてきたとし、ウクライナとシリアの民間人に対するロシアとイランの犯罪は正当化も忘却もできないものだと発言した。その際同氏は、ロシアにイランの無人機「シャヘド」が提供され、それがウクライナの平和な町に飛来していると喚起した。

また同氏は、「ウクライナでセドナヤ刑務所の凄惨な映像を見た際、私たちはすぐにロシアの占領から解放されたウクライナの諸地域の拷問所のことを思い出した。ところで、ウクライナは証拠収集、捜査、戦争犯罪者の責任追及作業の経験を共有する準備がある」と伝えた。

さらに同氏は、戦略的観点からは、シリアにおいてロシアのプレゼンスがなくなることは、シリアだけでなく、中東やアフリカ全体の安定に寄与するだろうと発言した。

そして同氏は、「ウクライナは他の誰よりも、発展のための安全の重要性を理解している。私たちは、安全保障の経験を共有する準備がある」と強調した。

その他同氏は、ウクライナの公式代表団が久しぶりにシリアを訪問したことは、シリアとの間で二国間関係の新しいページを開く準備があることを示すものだと指摘した。その際同氏は、共同企業の設立、産業・食料品の生産の確立、技術交換、サイバーセキュリティ分野の連携、情報保護の可能性に関することだとし、またウクライナへの輸入品の中にシリアの製品が増加するのを目にしたいと発言した。

これに先立ち、シビハ宇外相は30日、シリア首都ダマスカスを訪問し、シリア暫定政権を主導する「シャーム解放機構」(HTS)の指導者アハマド・シャラア氏と会談していた

27日、ウクライナ外務省は、シリアの新政権が、アサド前政権によるウクライナの領土一体性を侵害する決定を変えるなら、ウクライナはシリアとの外交関係を回復すると伝えていた

また、ウクライナのゼレンシキー大統領は27日、同国は国連世界食糧計画(WFP)と協力して人道プログラム「ウクライナからの小麦」の一環で、シリアに対してウクライナ産小麦粉を500トン発送したと発表していた