ウクライナ外務報道官、サウジで開催された宇米政権高官協議の様子を伝える
ウクライナのティーヒー外務報道官は12日、前日サウジアラビア・ジッダで開催された政権高官協議がどのように行われたかにつき、その雰囲気について報告した。
ティーヒー外務報道官がフェイスブック・アカウントに書き込んだ。
ティーヒー氏は、「ジッダにおける協議は、私が参加することになった協議の中で最も興味深いものの1つであった。外交術、戦略的思考、非標準的解決策の模索、柔軟性と毅然さの適切なバランス、最終的目標のために戦術的な手段を講じる能力の観点からだ。昨日、ウクライナ代表団、そして誰よりも遠隔で代表団の行動を指示したウクライナ大統領自身が、それら全てを示していた」と伝えた。
また同氏は、「もちろん、全ての詳細を明かすことができるようになるのは何年も後になってからだ。しかし、障害とならないいくつかのニュアンスについては共有する」と書き込んだ。
そして同氏は、第一に、昨日の協議が8時間行われたことを喚起し、「昼ごはんを考慮しなければ、ほとんど休憩なく行われた。昼ごはんの際も概して作業が行われていた」と伝えた。
同氏は続けて、「このような長時間作業からの印象について私が言えることは次の1つだけだ。『歴史家たちは、歴史的決定が下される際の人間の疲労の役割を過小評価している。』疲労がすでに現れている終盤の数時間にこそ、行き止まりからの出口が突如現れるものだし、難しい妥協もそうだ。端的に言えば、勝者になれるのは、最後の1キロ半を意志と個性の力で切り抜けることのできる者、ということである。さらには、感情をコントロールできる者もだ。実際、会談までの数日、それこそが私たち皆にとっての重要な課題だったが、概ね対処できたと思う」と伝えた。
また同氏は、協議の「感情面と情報面の背景」が重要なニュアンスだったとし、それが妥協にとっての余地の境界線を定め、協議の立場に影響を及ぼしていたと指摘した。その際同氏は、同協議は世界中のメディアの何百台のテレビカメラが向けられ、「詳しい関係者」発言による濃厚な雲に包まれる中で行われたと形容した。同氏は、協議前夜、情報空間は匿名情報源による記事であふれかえっていたと喚起し、重要人物同士が匿名でやり取りしていたと指摘し、そこには期待や、プロセスを促進させたり破綻させたりしようとする試みや、ランダムな発言や解釈が書かれていたと指摘した。
同氏は、だからこそ報道関係者が現場を訪れていたこと、彼らと専門的作業をすることがとても重要だったと指摘した。また同氏は、米国務省のブルース報道官とそのチームに謝意を伝え、「1日、私たちは専門的かつ友好的な雰囲気の中で仕事をした」と振り返った。
続けて同氏は、「3つ目は、協議担当者の個人の役割が圧倒的に重要だということだ。ウクライナ代表団には、外交当局と軍事当局の代表者がおり、皆が自らを最大限専門的で原則的で賢明であることを示していた」と伝えた。
同氏は、共同声明案作成作業は数時間に及んだとし、その作業の最終段階で重要な役割を担ったのは、ゼレンシキー宇大統領本人だったと振り返った。その際同氏は、ゼレンシキー大統領が「代表団の行動を複数の原則的立場の鉄の防衛と、他のことについての賢明な柔軟性へと導いたのであり、そのことにより最終的な肯定的結果へと達することが可能となった」と形容した。
その上で同氏は、「このようなとんでもない1日には、飛行機に乗って、ポーランドの私たちの外交官から、ジェシュフにおける全てのプロセスがたった今再開されたという短く乾いた確認を受けることに勝る報酬はない。それから、ロシアの情報空間がいかに『消防車が走り、人々が大騒ぎしている』かを見ることもだろう。なぜなら、ウクライナはたった今、戦略的外交的主導権を完全に奪い、ゲームの流れを変えたことを、彼らは目にしたからだ」と書き込んだ。
これに先立ち、11日、サウジアラビア・ジッダにて、ウクライナと米国の政権チームが協議を行っていた。
協議後、両国は共同声明を発出した。
同共同声明には、「ウクライナは、30日間の一時的かつ、双方の相互同意により延長可能でありつつ、ロシア連邦の受け入れと同時実施を条件とする停戦を即時に導入するという米国の提案を受け入れる準備があることを表明した。米国は、ロシアに対して、ロシアからの相互主義が平和達成への鍵であることを伝える」と書かれている。
さらには、共同声明には、「米国はインテリジェンス共有の一時停止を速やかに解除し、ウクライナへの安全保障支援を再開する」とも書かれている。