コンスタンティノープル総主教秘書官、ロシア正教会による対話停止の決定に不満

ロシア正教会によるコンスタンティノープル総主教庁との聖餐対話の停止の決定は、誰も満足しないものである。

ヴァルソロメオス1世コンスタンティノープル総主教の秘書官であり、クレタ正教アカデミーの教授であるマカリオス・フリストポリシキー主教が、ウクルインフォルムへのインタビューで述べた。

マカリオス主教は、ロシア正教会がコンスタンティノープルとの対話を完全に停止する決定を下したことについて以下のようにコメントした。「私は、ある教会の決定や個別の総主教の発言について評価したくはありません。私は、現在起きていること、いくらかの人がコンスタンティノープル全地総主教に対してすら個人攻撃を行っていることには、同意しません。このような戦術は、私は気に入りませんし、私たち正教会の主教にとって、これは誇れない行為です。私たちが何かを述べたいと思ったときは、教会上・教会法上の公理を正しく用いるべきです。聖職者も民も、全て理解し、判断するでしょう。」

また、同主教は、モスクワ総主教庁の決定を気に入らないとし、「私は、この決定には、皆が不満だと思っています。しかし、一度彼らがこのような道を進むと決めたのであれば、私はその決定を尊重します。私は、祈りをささげ、いずれ問題が取り除かれ、イエス・キリストのもとでの聖餐対話が再開されることを期待しています」と発言した

加えて、同主教は、ウクライナ国民に対する呼びかけも行った。「ウクライナの皆さん、団結してください。すばらしいウクライナの伝統と週間を維持してください。私たちの総主教を愛し、彼のことを祈ってください。人々の間に憎悪と憤怒が生まれないよう、愛と平和が広まるように祈ってください。ウクライナの人々よ、偉大なコンスタンティノープルの教会の慈悲を忘れないでください。」

以前、ウクルインフォルムが報じたように、10月15日、ミンスク(ベラルーシ)で開催されたロシア正教会会合は、コンスタンティノープル総主教庁がウクライナ統一教会に独立を近々付与する決定を採択したことを受けて、同総主教庁との教会対話を断絶する決定を採択した。

これに先立ち、10月11日、コンスタンティノープル総主教庁聖会議は、ウクライナ正教会への独立に関するトモス(編集注:正教会の交付文書)付与の決定を下した。現在、キーウ(キエフ)において、ウクライナ正教会キーウ聖庁、同教会自治独立派、同教会モスクワ聖庁の聖職者による会議が招集されることになっている。同会議では、コンスタンティノープル総主教庁に対して、トモス要請がなされることになる。会議は、諸教会の統一を行い、統一されたウクライナ正教会が創設され、同正教会の総主教が選出されることになる。

その後、そのウクライナ統一正教会の総主教により、文書の形でのトモスの授受が行われる。

ウクライナ正教会キーウ聖庁総主教は、近く統一聖職者会議が開催されるであろうとの確信を示している。