モスクワ聖庁は、ウクライナ正教会に移行したコミュニティ一つ一つと裁判をしている=エピファニー首座主教
ウクライナ正教会へと合流した宗教コミュニティのほぼ全てに対して、ロシア正教会側から裁判が起こされている。
3日、エピファニー・ウクライナ正教会首座主教が就任1周年の記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
エピファニー首座主教は、「もちろん、私たちがトモスを受け取った後すぐに見た状況は、当時はもっと活発であったし、今は、いくらか止まっている。それの理由は様々であり、それについてはこれまでも述べてきたところだ。それは、ある程度は政治的側面と関係するものであり、現在、残念なことに、複数の州行政府が登録替えを妨害しており、モスクワ聖庁は裁判を通じてそのプロセス(編集注:宗教コミュニティのウクライナ正教会への登録変更)を止めようとしている。つまり、実質的に、ウクライナ正教会に合流したコミュニティは、各々がロシア正教会側からの訴訟を受けているのだ。彼らは人々を脅し、人工的な対立を生み出している」と発言した。
その上で、首座主教は、ウクライナ正教会に加わったコミュニティは、憲法と国内法にのっとって行なったのだと強調し、「それぞれのコミュニティが自身の属する宗教上の中心を定め、選択する権利を持っている。そのため、現在ある障害は法的性格のものだ」と述べた。
同時に首座主教は、「将来、もう一度在ウクライナ・ロシア教会からウクライナ正教会への移行の波が来る」と信じていると述べた。同時に、「なぜロシア正教会と呼ぶのか。なぜなら、ウクライナ正教会モスクワ聖庁は、法律に従い、ロシア正教会と再登録する必要があるからだ。それはおかしなことではない。宗教中心としてモスクワを抱えたいのであれば、それに適した名を名乗るべきであろう?ロシア正教会と名乗って欲しいし、ウクライナの人々をだまさないで欲しい」と強調した。
更に首座主教は、ウクライナ正教会は、正教徒に対してオープンであると伝え、「過去1年間で、約600のコミュニティがロシア正教会から私たちのところに合流した」と喚起した。
加えて首座主教は、このプロセスはゆっくりと進む複雑なものだと述べ、「私たちは、もちろん、全ての正教コミュニティがすぐに合流することを欲しているのだが、しかし、このプロセスは複雑で、漸進的なものである。大切なのは、対立がないことだ。私は、全てのプロセスが平和で、自発的で、穏やかに進むよう呼びかけている。私たちは、愛を基盤とする教会を作っているのだ」と発言した。