記憶研究所、終戦記念日に合わせ、ソ連の大戦プロパガンダ解説動画を公開

動画

5月8日の第二次世界大戦終戦記念として祝われる「記憶と和解の日」に合わせ、ウクライナ国家記憶研究所は、「戦争と神話」と題した、大戦に関するソ連のプロパガンダを解説する動画を公開した。

記憶研究所がフェイスブック・アカウントにて伝えた

発表には、「今日から数日にわたり、私たちは、ソ連が拡散してきた神話を破壊する、面白く、極めて重要な動画を公開していく。まずは、『大祖国戦争』に関する神話から始めよう。それは、ソ連がイデオロギーで繰り返してきた『ドイツ・ファシズム軍に対するソ連人全体による偉大な戦争』を意味する常套句である」と書かれている。

動画の中には、「本当に『大祖国戦争』は、連邦構成共和国にとって、特にウクライナにとって、自らの祖国のための戦争だったのだろうか?」「ソ連の人々は、スターリンのために死ぬ覚悟があったのだろうか?」「人々は、瞬時にナチス体制の脅威を認識したのであろうか?」「本当に、ソ連政権が喧伝していたように、ソ連が完全な善の勢力で、その対抗勢力が世界的な悪の体現者だったのだろうか?」「『大祖国戦争』という名前は正確なものなのだろうか?」といった質問が提示されている。

記憶研究所は、その上で、「大祖国戦争」という名前はイデオロギーにて色付けされたものであり、「独ソ戦」を呼ぶには、学術的観点からは不正確だと指摘している。加えて、「大祖国戦争」という名称自体、この戦争に関するソ連が作り出した神話の延長線上にあるものであり、その神話は、現在のロシア連邦が旧ソ連地域にて自らのイデオロギー影響力を維持するために利用していると説明した。

この動画の高解像度版はこちらからダウンロード可能。英語、ウクライナ語(字幕あり・なし)、ロシア語版の4種類が用意されている。

その他のYoutube公開版はこちら(ウクライナ語版 ロシア語版)。