OSCE報道の自由問題代表、ロシアにウクルインフォルム特派員のスシチェンコ氏解放を呼びかけ
アルレム・デジル欧州安全保障協力機構(OSCE)報道の自由問題代表は、ロシアに対して、ウクルインフォルムのフランス特派員、ロマン・スシチェンコ氏を解放するように呼びかけた。
10日、デジル代表が、ウィーンでのOSCE常設理事会にて、ウクルインフォルムの特派員にコメントした。
デジル代表は、「私は、昨年何度も呼びかけたのと同様、現在もロマン・スシチェンコ氏解放を呼びかけている。今後も本件をフォローしていく」と発言した。
同代表は、スシチェンコを巡る情勢を非常に懸念しているとし、「本件は、クリミアに拘束されるミコラ・セメナ記者やその他拘束されるジャーナリストの問題とともに、ロシア政権代表者との会談の際に何度となく提起している」と述べた。
同代表は、OSCE加盟国の地域において、ジャーナリストが迫害を受けたり拘束されたりすることはあってはならないと強調し、たとえ紛争状況下であっても自由な情報拡散とジャーナリストの活動を促進することはOSCE加盟国の義務であると指摘した。
これまでの報道では、ウクルインフォルム通信のフランス特派員であるロマン・スシチェンコ記者は、2016年9月30日、私的目的でモスクワを滞在していた際に国際法に違反する形でロシアの治安機関に拘束された。
同年10月7日、スシチェンコ記者は、スパイの罪が言い渡された。ロシア連邦保安庁(FSB)は、スシチェンコ記者はウクライナ国防省情報総局の職員であると発表。情報総局は、これを否定している。
2018年6月4日、スシチェンコ記者に対して、12年間の拘禁刑を伴う有罪判決が言い渡された。