聞き手:イェウヘン・マチュシェンコ(キーウ)
写真:セルヒー・チュザウコウ
英国のジョン・ヒーリー国防相が12月18日にキーウを訪問した際に、ウクルインフォルムは同氏と短時間のインタビューを行い、ロシアの侵略、ウラジーミル・プーチンの核兵器関連の発言、英国によるウクライナへの安全保障・防衛支援、戦争の平和的解決の展望に関係する喫緊の課題につき話し合うことができた。ウクルインフォルムの記者はまた、英国がロシアからの軍事的脅威をどのように受け止めているのかについても尋ねた。なぜなら、ヒーリー大臣の息子は、ロシアの対ウクライナ全面侵攻後に軍の予備に歩兵として登録することにしたからだ。
私たちはプーチンの核関連発言に怯えるべきでない
ウラジーミル・プーチンは、核戦争への世界の恐怖を上手に操作し、西側諸国の首脳に、自らのゲームのルールを押し付けています。彼は、そのゲームの中で全く制限を受けていません。これに対して、西側諸国の首脳は、プーチンに自らのゲームを押し付けられないのでしょうか?
第一に、私たちは、プーチンの発言や彼のエスカレーション行動に怯えるべきではありません。それらが私たちを怯えさせることはありません。
私の今回のキーウ訪問の目的は、ルステム・ウメロウ宇国防省と、私たちのウクライナ強化の共通の計画を協議することです。それは、現在あなた方が遂行している戦闘の期間だけのものではなく、2025年や将来を通じた計画です。
それは、私たちがウクライナを支えていくこと、ウクライナを必要な限り支えていくために他の国々の活動を調整していくことを、プーチンに対して述べる手段でもあります。
それがどれだけ長引こうと、プーチンが勝つことはありません。ウクライナをより強くして、プーチンに圧力をかけねばなりません。それが私たちの必須事項であり、それにより、私たちは今後数週間、数か月にわたり共通で作業をしなければなりません。
いつ協議の席に着くかを決めるのは、ウクライナ人
あなた個人は、ワシントンでの権力譲渡の後にドナルド・トランプ政権が、24時間以内の停止とはもはや言わないまでも、根本的に戦争を停止できると信じていますか?
ウクライナ人こそが今戦っているのであり、ウクライナ人こそがいつ協議を始めるか決めねばなりません。そして、私たちの義務は、そして私たちはそのように行動しますが、あなた方が戦っている間ウクライナと共にあることです。私たちは、協議が続いている間もウクライナと一緒に居続けます。そして、大切なことは、戦いが止まった時にも、私たちの支援が続いていくことです。
今この瞬間、私たちは、新しい(支援)パッケージにより私たちの対ウクライナ軍事支援を強化しており、その支援には無人水上艇、防空手段、榴弾砲が入っています。また、私たちは、あなた方の防衛首脳陣とともに2025年を通じた計画を策定しています。
停戦後もウクライナ軍人訓練のニーズはなくならない
支援継続については、もし仮に今年戦争のアクティブな局面が終了したとして、「インターフレックス」作戦の一環でのウクライナの新兵訓練は継続されるのでしょうか?
私は、英国が「インターフレックス」作戦の一環で2025年中兵士の訓練を管理し続けることにつき、自らに義務を課しています。たとえ戦闘が停止しても、英国があなた方の国に提供することのできる軍人訓練、防衛支援、連帯とサポートのニーズはなくなりません。
それは、あなた方を将来にわたってより強くするものであり、将来にわたってあなた方をより守っていくものです。ところで、今日ウメロウ国防相と行った協議の一部は、ウクライナの軍事産業複合体をあなた方の現在の戦闘能力、将来の同盟国と一緒となった自衛能力の重要な一部とする上で、同複合体を今後どのように強化できるか、ということに間するものでした。
平和維持ミッション問題は、ウクライナが現在直面している圧力よりもはるか先のもの
英国は、ウクライナへの国際平和維持ミッションの展開をどのようなフォーマットでも支持する準備がありますか? たとえその部隊が戦闘に参加することがないのだとしても?
わかるでしょうか。私にとって、それは、私たちの現在地点からはるか前にジャンプするようなことです。その問題は、あなた方が現在直面している圧力よりはるかに先のことです。
だからこそ、私たちの今日の議論の焦点は、私たちが提供している軍事支援に当てられていましたし、私たちは英国が強化できる、他の国際同盟国との調整や、いくつかの長期的計画を強化していきます。
そして私たちは常に、ウクライナの喫緊のニーズに一緒に対応し、一緒に計画し、あなた方と一緒にあるよう努力していきます。
ロシア連邦の侵略は、NATOにとっての深刻な挑戦の1つ
もしかしたら、これは少し個人的な質問かもしれませんが、あなたがあるインタビューの際に話していたように、ロシアの対ウクライナ全面侵略の開始についてのニュースを背景に、あなたの息子さんは軍の予備に登録しましたね。彼は自らの国を誰から守る予定なのでしょうか? ロシアの軍事的脅威は、英国にとって現在どれだけ深刻なものなのでしょうか?
ロシアの軍事侵略、そしてロシアの広義の攻撃は、全体としてはNATOが、そしてNATOの主要加盟国である英国が直面している深刻な挑戦の1つです。だからこそ、ご覧の通り、NATOは自らの境界線の防衛計画、抑止方策強化、NATOからウクライナへの支援増加を見直しているのです。