マリウポリ市にはまだ約16万人の住民が封鎖されている=市長
ロシア軍に包囲され、人道状況の悪化が続くウクライナ東部マリウポリ市のボイチェンコ市長は、同市にはまだ約16万人の民間人が残っていると発言した。
28日、ボイチェンコ市長がテレビ番組「UA一緒」出演時に発言した。
ボイチェンコ氏は、「残念ながら、封鎖されたマリウポリにはまだかなり多くの人がいる。それは10万人より確実に多い。私たちの評価では約16万人だ。人々は現在封鎖されたマリウポリにおり、現在生活することができない。水も、電気も、暖房も、通信も何もない。本当に恐ろしい」と発言した。
同氏はまた、現在同市の完全な避難が必要であり、その希望は消えていないと述べ、「私たちはその希望で生きている…。今、例えば、避難目的で26台のバスがマリウポリへ向かうべく停まっている。しかし、現時点では、残念ながら、それらを出発させる決定がない。(中略)砲撃の中、私たちの英雄的運転手は、マリウポリ市民が今日来ることのできる場所まで辿り着こうとしているし、市民はそのような機会が現れることを期待している。しかし、残念ながら、全てが私たちだけでは何とかなるわけではない。私たちは、その占領者たちに掌握されているのだ」と強調した。
さらに同氏は、現在多くのウクライナ人が、民間人避難の組織を手伝おうとしている欧州の人々につき期待をしているとし、「私も何万のマリウポリ市民も、そのような決定が可能であることを期待している」とし、フランスやトルコによるマリウポリ市民避難実現につき期待を示した。
また、マクロン大統領は25日、トルコとギリシャとともに、ロシア軍により包囲され人道状況の悪化が続くウクライナ東部マリウポリ市から市民を避難させる人道作戦を準備していると発言していた。
なお、現在、ロシア侵略軍がウクライナ東部マリウポリを包囲し続けており、これにより同市の人道状況が著しく悪化している。ウクライナ側が激しく抵抗する中で、ロシア軍は民間施設を爆撃し、民間人に多くの被害を出しており、また民間人避難のための人道回廊の開設を妨害している。マリウポリ市議会は、3月14日時点で同市の民間人死者数は2357人に上ると発表している。
アレストヴィチ宇大統領府長官顧問は18日、現時点でロシア軍による東部マリウポリ市の包囲を解除することは不可能だとし、ウクライナ政権は政治・外交的手段の作業をしていると発言した。
ゼレンシキー大統領は22日、マリウポリ市には、まだ約10万人の住民が食べ物や水のない状態で残っていると伝えた。
写真:Stringer, Anadolu Agency