ロシア軍、ウクライナ南部・東部をミサイル攻撃=各州情勢
ウクライナへの侵略を続けるロシア軍は、19日0時ごろ、黒海から南部オデーサ州に対して7弾の巡航ミサイル「カリブル」にて攻撃を実施した。
ウクライナ軍の南部作戦を担当する作戦司令部「ピウデン(南)」がフェイスブック・アカウントにて伝えた。
発表にて、「敵は、オデーサ州に対して、卑劣に夜間にミサイル攻撃を行った。7弾の巡航ミサイル『カリブル』が国会から発射された。1弾は防空システムにより撃墜、6弾は平和な村に着弾した」と伝えられた。
着弾の結果、民間住宅3軒と中庭の建物2軒が破壊され、火災が発生し、その他、車両、学校、文化会館などが損傷したと発表された。
民間人6名が負傷、内1名が児童。300平方メートルにわたり火災が発生したという。
南部ドニプロペトロウシク州のニコポリも、19日夜間にロシア軍の攻撃を受け、港や企業の建物が破壊された。
ルカシュク・ドニプロペトロウシク州軍行政府長官がテレグラム・チャンネルにて砲撃被害の写真を公開した。
ルカシュク氏は、「夜間の攻撃後のニコポリだ」と書き込んだ。
同州国家非常事態庁総局のコウトニューク広報担当課長代行は、敵はニコポリ市を40回攻撃し、砲撃により電線が断線、2つの産業企業に着弾し、破壊・火災が生じた他、民間家屋や経済施設への着弾もあったと伝えた。
東部ドネツィク州では、州警察が、過去24時間で敵は州内9つの自治体を、計26回の攻撃したと伝えた。
攻撃を受けた自治体は、クラマトルシク、バフムート、アウジーウカ、コスチャンティニウカ、ソレダール、セリドヴェ、ニュー・ヨルク、イヴァニウシケ、ポクロウシケ。民間家屋15軒、工場2軒、乳製品工場、技術工場が破壊されたという。
写真:ドネツィク州警察
また、中部ヴィンニツャ州のボルゾウ州軍行政府長官は19日、フェイスブック・アカウントにて、14日にロシア軍のミサイル攻撃を受けた中部ヴィンニツャ市で、同攻撃での25人目の死者が確認されたと伝えた。
ボルゾウ氏は、「今日、病院で、神経学の医師、ナタリヤ・ファリシュティンシカ氏が亡くなった。ミサイルが飛来した際、彼女は病院『ネイロメド』で患者を診察していた。子供3人が母を失った」と書き込んだ。
その他の地域の軍行政府の19日8時時点の情報をもとにした報告書の概要は以下のとおり。
スーミ州(北部):ロシア軍は、夜間クラスノピッリャ共同体とミロピッリャ共同体を迫撃砲で砲撃、犠牲者・破壊なし。前日、敵は、フルヒウ共同体、シャリヒネ共同体、ビロピッリャ共同体、ホティン共同体、ミロピッリャ共同体、エスマン共同体を砲撃。150弾以上の砲弾が放たれた。
ドニプロペトロウシク州(南部):ニコポリ地区以外に、クリヴィー・リフ地区もロシア軍の砲撃を受けた。ロシア軍は、同地区ゼレノドリシク共同体を砲撃、破壊・犠牲者なし。
ハルキウ州(東部):ハルキウ市は夜間砲撃なし。同時に、夜間、チュフイウ地区コロボチュキノ村へ砲撃あり。朝、侵略軍は、チュフイウ地区バシュキリウカ村へとミサイル攻撃、1弾着弾が確認。火災なし。朝、ツルクニへと砲撃あり、負傷者1名。
ルハンシク州(東部):ロシア軍は、4方向から同時襲撃を試みている。ヴェルフニョカムヤンシケへは、敵はリシチャンシク石油精製工場からとゾロタリウカ地区から襲撃してきた。そこから敵はドネツィク州方面へ進むことを計画しており、ビロホリウカ近郊の状況を改善しようとしている。多くの場所で襲撃を止めることができており、戦闘が継続しているところもある。ヴェルフニョカムヤンシケへは敵は空爆も行った。ウクライナ軍配置地点へは、4弾のミサイル攻撃、2回空爆、11回火砲砲撃が行われた。
ドネツィク州(東部):過去24時間、ロシア軍の攻撃による州の民間人の死者1名、負傷者2名。州内は、ガス供給が引き続き停止中、水と電気も部分的に停止。住民の避難が継続。
ミコライウ州(南部):昨晩、ミコライウ市コラベリニー地区へとロシア軍によるクラスター弾での砲撃あり。主に民間セクターが狙われ、住宅の窓や屋根が損傷した。男女2名が負傷。昨晩23時50分頃、シローケ共同体に砲撃あり。自治体の外に着弾。シローケ村への砲撃が続いている。ベレズネフヴァテ共同体のコンタクト・ライン沿いの村への砲撃が継続。住宅、インフラ施設、商業施設が損傷。
ヘルソン州(南部):州内ベルスラウ地区、カホウカ地区で戦闘継続。州内の恒常的な砲撃で毎日森や平野が燃えている。過去1週間だけで、救助隊は自然空間の火災を54件鎮火した。州内情勢は引き続き緊迫。
その他の地域は相対的に平穏だった。