ロシア軍、ザポリッジャ州の大型牧場を砲撃 動物の半数が犠牲=ウクライナ各地情勢
ウクライナへの侵略を続けるロシア軍は31日未明、ウクライナ南部ザポリッジャ州ヴェリカ・ビロゼルカにある大型の牧場を砲撃した。
スタルフ・ザポリッジャ州軍行政府長官がテレビ番組出演時に報告した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
スタルフ氏は、「本日未明、占領者は、ヴェリカ・ビロゼルカの大型の牧場を砲撃した。そこには、2000頭の家畜がいたが、その半分が殺された。総じて、(編集注:ザポリッジャ州への)砲撃頻度は上がっている。ヴァシリウカを含め、コンタクト・ライン上では、1日で106回以上の砲撃があった」と発言した。
写真:スタルフ・ザポリッジャ州軍行政府長官(テレグラム)
またスタルフ氏は、国際原子力機関(IAEA)調査団が今日中にザポリッジャ州に到着することを期待していると述べた。
南部ドニプロペトロウシク州のレズニチェンコ州軍行政府長官は、テレグラム・チャンネルにて、31日未明、ロシア軍が同州ニコポリに対して2回攻撃を行い、57歳の女性が負傷したと伝えた他、12軒の集合住宅、数件の店、薬局、大学、児童用スポーツ学校、文化・スポーツ施設が損傷したと報告した。
その他、各地軍行政府の31日8時時点の情報にもとづく報告書の概要は以下のとおり。
ハルキウ州(東部):30日、敵の自走砲「ピオン」でのハルキウ市中心部への砲撃により、市民4名が死亡、12名が負傷。夜間、ロシア人は露ベルゴロド方面からミサイルを3発発射。内2弾はロシア領内で、1発はハルキウで爆発し、同市キーウシキー地区の高等教育機関近くの地面に着弾、2名が負傷した。夜遅く、侵略軍が多連装ロケットシステムにて、ハルキウ市ノヴォバヴァルシキー地区を砲撃。建物が損傷。
ルハンシク州(東部):バフムート方面は変化なし。敵が戦車、榴弾砲、多連装ロケット砲システムでの攻撃を強化。侵略者たちは、多連装ロケットシステムで2回、空爆1回、榴弾砲で16回、迫撃砲で3回攻撃。敵の全ての攻撃は撃退された。
ドネツィク州(東部):ロシア軍の30日の攻撃により、州民が4名死亡、2名負傷。敵は、榴弾砲、多連装ロケットシステム「グラート」、地対空ミサイルシステムS-300で攻撃。攻撃を受けたのは、クラスノホリウカ、ドルジュキウカ、ヘオルヒーウカ、コルスニウカ、アウジーウカ、カルリウカ、トネンケ、ステパニウカ、イヴァニウシケ、マイシケ、バフムート。敵は、31日未明、クラマトルシクをミサイルで攻撃。結果、少なくとも4軒の集合住宅が損傷。また、敵は、スロヴヤンシクも砲撃。住宅地と倉庫が損傷。クラホヴェでは、市の中心部が攻撃され、民間人自動車が損傷。チャシウ・ヤルは産業地区が攻撃された。州内では、ガス供給が停止、水と電気も部分的に停止。義務的避難が継続。
クラマトルシク市の被害 写真:ホンチャレンコ・クラマトルシク市長
バフムートの被害 写真:国家非常事態庁ドネツィク州総局
ドルジュキウカ市文化会館の被害 動画:ドネツィク州軍行政府
ミコライウ州(南部):州内では、30日日中、敵がミコライウのインフラ施設を砲撃。住民1名が死亡、2名が負傷。ミコライウ地区では、ロシア軍がノヴォミコライウカを2回砲撃。住宅と建物周辺に被害。犠牲者なし。バシュタンカ地区では、ロシア軍がベレズネフヴァテ隣接地域、ヴィスンシク、カウカズを砲撃。30日日中と31日朝、敵は、チェルヴォナ・ドリナ村周辺を砲撃。農業企業で火災発生。犠牲者なし。31日6時ごろ、敵は、シローケ周辺を砲撃。
ヘルソン州(南部):州内では一日中戦闘が継続。機関銃銃撃音はヘルソン市内でも聞こえる。占領者は、ヘルソン市内の小地区の1つで民間家屋で取調べを行い、パルティザン参加者を見つけようとしている。州内の人道状況は引き続き緊迫。戦争開始から、州内では2617軒の民間施設が損傷。州境の村々の状況が危機的。
その他の週は相対的に平穏だった。