ロシア軍、ハルキウ市をS-300のミサイルで攻撃=各地被害
ウクライナへの侵略を続けるロシア軍は4日未明、ロシア領ベルゴロド州からウクライナ東部ハルキウ市内へとS-300によりミサイルを発射した。
ハルキウ州検察がテレグラム・チャンネルにて報告した。
発表には、4日未明、ロシア軍がハルキウ市内の2つの地区を攻撃と書かれている。ノヴォバヴァルシキー地区では、ミサイルが重要インフラに着弾し、火災が発生、着弾現場で働いていた46歳の女性が死亡したと言う。もう1つのミサイルは、ホロドノヒルシキー地区の企業に着弾し、破壊が生じたと書かれている。
ミサイルは、S-300によってロシア国内のベルゴロド州から発射されたとみられている。
破壊されたハルキウ市内重要インフラ 写真:マジイェウシキー/ウクルインフォルム
さらに4日、ハルキウ州検察は、ハルキウ州内のシェウチェンコヴェ町へのミサイル攻撃についてもテレグラム・チャンネルにて報告した。
検察は、「脱占領後も、ハルキウ州はロシアの武力侵略に苦しみ続けている。捜査班の情報では、10月4日6時30分頃、ロシア軍人がクプヤンシク地区シェウチェンコヴェ町をミサイルで攻撃した。民間家屋が損傷した」と伝えた。
ゼレンシキー宇大統領はまた3日、テレグラム・チャンネルにて、ハルキウ州クプヤンシクの医療大学への砲撃の被害を紹介した。
ゼレンシキー氏は、「クプヤンシクだ。市病院の主要治療棟が砲撃にあった。医師が死亡、看護師が負傷。敵は、最近も民間人へのテロを続けている」と書き込んだ。
クプヤンシク地区の治療棟 写真:大統領府、ハルキウ州軍行政府
南部ドニプロペトロウシク州のレズニチェンコ州軍行政府長官は、テレグラム・チャンネルにて、4日未明、同州ニコポリ地区とシネリニコヴェ地区がロシア軍から攻撃を受け、4名が負傷したと報告した。
レズニチェンコ氏は、「最も被害を受けたのはニコポリ市だ。同市には、ロシアの『グラート』と榴弾砲により約30の砲弾が飛来した。28歳、48歳、50歳、66歳の4名の男性が負傷、内2名が病院に送られた」と書き込んだ。また、30軒以上の集合住宅・民家が損傷し、1軒の集合住宅は4つの階層が破壊されたという。
また同氏は、給水塔が破壊されたことで水の供給が停止し、また7000世帯以上で停電が発生しているという。また、学校、薬局、産業企業、穀物庫、行政庁舎も損傷したとのこと。
同州マルハネツ共同体、チェルヴォノフリホリウカ共同体への攻撃でも大規模破壊あり。ポクロウシク共同体では、敵攻撃により農業企業で火災が発生したと報告された。
ウクライナ大統領府のティモシェンコ副長官は4日、テレグラム・チャンネルにて、3日を通じてロシア軍の攻撃により、ウクライナ全土で民間人が3名死亡、12名負傷したと報告した。
地域別の犠牲者は以下のとおり。
ドニプロペトロウシク州(南部):負傷者3名
ドネツィク州(東部):死者1名、負傷者2名
ハルキウ州(東部):死者2名、負傷者7名
その他、4日9時時点の各地軍行政府情報をもとにした報告書の概要以下のとおり。
ドネツィク州(東部):4日未明、シャフタルシケにてロシア軍がクラスター弾で砲撃。また、同未明、クラマトルシクへとミサイル攻撃(民間施設、負傷者あり)、コスチャンティニウカへ砲撃あり。
ミコライウ州(南部):敵は3日夜、オチャキウ海上を攻撃。他、ベレズネフヴァテ、ノヴォオレクサンドリウカ、シローケへの攻撃確認。犠牲者なし。
ヘルソン州(南部):州内の戦闘継続、敵は衝突ライン上のほぼ全ての自治体を砲撃。民間人に負傷者あり。最も被害が多いのは、アフハンヘリシケ、ヴィソコピッリャ、トカレヴェ、イヴァニウカ、オリヒネ、ミロリュビウカ、オルロヴェの民間インフラ、民家、商業施設。占領者は、ヘルソン州占領地にて強制動員を継続している。
その他の地域は相対的に平穏だった。