NATO高官、ウクライナがいずれ戦場で反転攻勢に移行することを確信

北大西洋条約機構(NATO)の高官の1人は、ウクライナは、然るべき条件が整ったら、戦場で反転攻勢に移行することを確信していると発言した。

9日、同人物がワシントンNATO首脳会議の際に記者団に対して発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

同人物は、「ウクライナ側に関しては、私は、同国が反転攻勢を活性化させると絶対的に確信している。なぜなら、武器の供給、戦場の状況、天候条件がそれを可能とさせるからだ」と発言した。また同氏は、西側諸国からの支援でウクライナの防衛力を強化することが重要だとも指摘した。

その他同氏は、「思うに、あなた方が今週ここ、サミットで、NATOがウクライナに示す、加盟への移行や結果の観点で目にするものは、かなり重要なものとなろう」と述べ、それは「訓練、武器・軍事品供与、装備、ロジスティック、来年少なくとも400億ユーロのウクライナへの拠出」に関するNATOの行動調整についての話だと指摘した。

また同氏は、ウクライナの保有する防空能力は限定的だとしつつ、ロシアは「ウクライナの防空を克服するためにミサイルシステムや攻撃型無人機を適応させ続けるだろう」と指摘し、「それは同盟国によるウクライナの民間人保護の支援の重要性を定めるものだ」とも発言した。

加えて同氏は、ロシアは弾薬不足や兵員の脆弱な準備水準によって戦場で多大な損耗を出していると指摘し、「彼らは、非現実的な目標を達成するために能力が低く、経験のない部隊に対して(戦闘)地域に移動するよう命じなければならなくなっている」と説明した。

さらに同氏は、「ロシアは、現実的な攻勢作戦の実施のためには、イランや北朝鮮からすでに受け取っているものの他に、さらに他国から著しい数の弾薬の供給を受けなければならないし、ウラジーミル・プーチンが新しい動員の命令を下さなければならない」と指摘した。

そして同氏は、ロシアによる攻勢作戦実施のいかなる試みも「私たちがハルキウ州で見てきたように、ほぼ間違いなく、非常に甚大な損耗をもたらす」とし、それにもかかわらず、ロシアは兵員・兵器の点でウクライナに対する著しい数の優位を維持し続けているとも補足した。

その際同氏は、ロシアは「戦闘行為の継続、さらには拡大まで」行う準備があることを示していると強調した。

その上で同氏は、「私たち皆が2025年以降もウクライナを支援し続ける準備がなければならない。(中略)これは、近々終わるような紛争ではなく、ロシアが優勢になるのを防ぐために時間、何年もの献身的努力を必要とするものである」と発言した。

なお、7月9〜11日、ワシントンでNATO首脳会議が開催されている。

写真:ウクライナ国防省