プーチンはロシアの提示する条件以外での誠意ある和平協議に関心がない=戦争研究所

米国の戦争研究所(ISW)は、ロシアの首脳プーチン氏が提示した対ウクライナ戦争終結の条件はウクライナの降伏と同義であり、それは、プーチン氏にはロシアの条件以外の条件で誠意ある協議を行うことには引き続き関心を抱いていないことを示していると指摘した。

ISWの7月15日付報告書に書かれている

ISWは、プーチン氏がウクライナの完全降伏を和平協議の妥当な前提条件として仕立てたのは、ウクライナによる国際法に基づく政党な協議立場への国際的支持を集めようとする努力を弱めようとする試みだと指摘している。

報告書には、「ロシアが『ウクライナが妥当な要求を拒否している』という主張の努力を続けているのは、ウクライナの正当な国境が1991年の国際法に認められたという事実を無視して、ウクライナのことを不合理な主体へと仕立て上げることを意図したものである」と書かれている。

その上でISWは、ウクライナは引き続きロシアとの協議を自身の条件で行う意向を示し続けており、ウクライナの平和的情勢解決の要件は国際法にしたがったものであるとし、それはロシアがウクライナの全面降伏以外のもので終わる協議への参加を拒否しているのとは正反対だと指摘している。

加えてISWは、プーチンのウクライナ降伏要求は、ロシア軍とロシア占領政権が占領下ウクライナ領で大規模かつ意図的な民族浄化を継続することを可能とした上で、ウクライナの人々がロシアの占領から解放されるためにはウクライナの領土一体性完全回復が不可欠だと評価している。

その上でISWは、ウクライナによる自国民解放以外のものを受け入れることは、ロシアによる500万人以上のウクライナ国民に対する違法な占領を暗黙のうちに支持することになると指摘している。

これに先立ち、ウクライナのゼレンシキー大統領は15日、第2回「平和サミット」にはロシア代表者が出席すべきだとの見方を示していた