ゼレンシキー宇大統領、ロシア軍が前進している「3つの理由」に言及

ウクライナのゼレンシキー大統領は、ロシア軍が前線で前進を続けている理由として、交代用の14個の旅団の装備が整っていないこと、ロシア軍が兵士の命を軽視した進軍を行っていること、ロシア領内の軍事施設に対する西側武器を使った攻撃の許可がないことを挙げた。

ゼレンシキー大統領が仏メディアに対するインタビュー時に発言した

ゼレンシキー氏は、「ロシア人が前線で前進していることにはいくつかの理由がある。私たちがそれらを解決したら、彼らを止めることは可能だ。私たちはもう、14個の旅団の準備をしてきたことを秘密にしておらず、私たちはそれらに武器を持たせたいと思ってきた。それらの旅団は、私たちの領土を守らねばならず、私たちが若者たちを交代で休暇させ、その旅団が彼らと交代できるようにするための、予備とならねばならない。関連の(編集注:軍事支援)パッケージを準備していた時、話に挙がっていたのは、正にその14個の旅団のことであった。14個の旅団の内、3個だけ装備が整っている場合、あなた方なら、どうやって(敵の進軍を)止められると思うか?」と発言した。

その際同氏は、「率直に言えば、例えば、少なくとも10個(編集注:の旅団の装備を整えること)だ。なぜなら、戦場の若者たちは交代を必要としているからだ。彼らは休まねばならないが、代わりにそこで立たねばならない旅団が空っぽの場合、どうやって交代を行うというのだ」と発言した。

2つ目の理由として、ゼレンシキー氏は、ロシア軍が後退を考えずに前進をしていることだとし、「彼らは後退したら殺される。事実だ」と指摘した。そして同氏は、プーチン氏は自国民のことをどうでも良いと考えており、「その者たちの数を数えていない」と発言した。

さらに同氏は、「当然ながら、あなたの敵との間に自由と人権へのアプローチにそれだけの違いがある場合、あなたは何らかの別の優位を得る必要がある。別の優位とは、何よりも、武器、技術である」と指摘した。

3つ目の理由は、同氏は、ロシア領内の軍事目標を破壊するために西側武器の利用が認められていないことだと発言した。同氏は、「国境から30〜60〜100キロ離れた深部のロシア人のところに多連装ロケットシステム、私たちを爆撃している航空機、あるいは別の武器、ベルゴロドから彼らが使っている『グラート』『S300』があることを知っていながら、それら武器を破壊する権利がないことを知っている場合、あなたなら何をするだろうか? 私たちは、何をすべきか、頭を悩ませている」と強調した。