検事総局、露国籍イーゴリ・ギルキン氏に犯罪容疑を伝達 殺人や拷問
ウクライナ検事総局は、違法武装集団「DPR」にて当時いわゆる「国防相」を名乗っていた、ロシア国民イーゴリ・ギルキン氏に戦争法規慣例違反の容疑を遠隔で伝達した。
16日、検事総局広報室が公表した。
発表には、「武力紛争下犯罪局の手続管理下で、検事総局は、ロシア連邦国民であり、ロシア連邦がコントロールする非正規違法武装集団の一つの幹部であり、過去にいわゆる『DPR国防相』と呼ばれていた人物に、戦争法規慣例違反(ウクライナ刑法典第438条2項)の容疑を伝達した」と書かれている。
また、容疑者の指名手配が発表され、未決囚予防措置適用審理を目的に、裁判所により拘束の許可が下りたと伝えられている。
イーゴリ・ギルキン氏へ容疑については、捜査により、2014年4月17日から19日にかけて、事前談合により、ギルキン容疑者の配下にある複数人物が、ドネツィク州にて愛国心を示すウクライナ国民複数に対して、暴力行使、家宅捜索、拉致を行なったと説明されている。
更に、「その後、これらのウクライナ国民は、同州スロヴヤンシク市内の特別に準備された建物にて拘束され、親ウクライナ的立場に対する報復を目的とした強度の物理的・倫理的損傷を起こす拷問、殴打やナイフでの傷害、その他暴力行為の行使が行なわれた。(ギルキン)容疑者の命令を受け、配下の戦闘員は、違法に拘束され拷問を受けていた人物の内、少なくとも3名を意図的に殺害した」と書かれている。
なお、2014年4月、ロシア特殊機関出身のイーゴリ・ギルキン(ストレルコフ)氏率いる武装集団戦闘員がドネツィク州スロヴヤンシク市を占拠している。その後、2014年7月5日、ウクライナの反テロ作戦部隊がスロヴヤンシク市を包囲すると、ギルキン氏はドネツィク市へ逃亡。その後、同氏は、違法武装集団「DPR」の「国防相」を称すようになった。