保安庁長官、メドヴェチューク議員の国家反逆罪容疑を説明
バカーノウ・ウクライナ保安庁(SBU)長官は11日、SBUにはヴィクトル・メドヴェチューク最高会議(国会)議員とタラス・コザーク同議員の侵略国ロシアとの違法活動の証拠があると発言した。
バカーノウSBU長官が記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
バカーノウ長官は、メドヴェチューク容疑者はウクライナ国内に潜伏しているが、コザーク氏はロシアに滞在しており、帰国しないつもりだと指摘した。
また長官は両容疑者の容疑を紹介した。長官は、キーウ(キエフ)の企業をロシア連邦で再登録するための詳細な発言や、ロシア国内法にのっとった契約やライセンスを受け取る話の聞かれる通信傍受記録を紹介した後に「分析により、この声がヴィクトル・メドヴェチューク氏のものであり、企業名でプーチン氏に出された書簡の編集の筆跡が彼のものであることがわかった。メドヴェチューク氏は、このプロジェクトに関して、プーチン露大統領宛に直接書簡を送っていたのだ。それは、裁判声紋調査によって確認された」と発言した。
長官は、捜査班は両容疑者が2015年に、ロシアに占領されるウクライナ一部地域の排他的経済水域に属する黒海大陸棚で埋蔵資源を採掘するために、ロシア政府高官と事前合意をしていたと見ていると指摘した。
その上で長官は、「占領国(ロシア)は、半島併合後に、企業、資源、その他資産の国営化を開始した。法人の違法な再登録プロセスが始まったわけだ。そのウクライナの政治家(メドヴェチューク容疑者とコザーク容疑者)は、被占領地における採掘作業に関与し、実質的にその採掘地を奪った侵略国を支援したのである」と発言した。
長官は、つまりそれはウクライナの経済安全保障にダメージを与え、被占領地におけるウクライナ国家の資産を奪い、他国を支援したことになると発言した。
また、長官は、別の容疑はロシア連邦情報機関に対して、ウクライナの国家機密を含む情報を提供したことに関する捜査によるものだと指摘した。長官は、「本件は、2020年8月、メドヴェチューク氏がロシア領にいたコザーク氏に対して、ウクライナ軍部隊の位置、人員構成、戦闘準備に関する機密情報を送った。情報は、ロシアの情報機関のためであった」と発表した。
さらに長官は、SBUが反ウクライナ・プロジェクト「閃光」の作成をはじめとする、ウクライナに対する破壊活動の実施も捜査していると伝えた。長官は、同プロジェクトでは、ウクライナ国民をロシアへと仕事や学習のために送るための機関を設立するかのように見せかけておいて、実際には、ロシアの利益のための影響行使インフラを作ることが目的があったと指摘した。長官は、「その『閃光』のメカニズムを通じて、ウクライナ人の個人情報を集めたり、勧誘したり、ウクライナの国内政治に影響力を行使したり、プロパガンダを拡散したりしていた。つまり、それは反ウクライナ・プロジェクトである」と発言した。
これに先立ち、11日、ヴェネジクトヴァ検事総長が最高会議議員2名に対する国家反逆罪とクリミアにおける国家資源略奪未遂罪の容疑文に署名を行なったと発表していた。
同検事総長は、その後の記者会見で、2名とは、ヴィクトル・メドヴェチューク議員とタラス・コザーク議員であると認めている。