トゥピツィキー前憲法裁判長、2016〜17年にクリミアを3回訪問=調査報道
オレクサンドル・トゥピツィキー・ウクライナ憲法裁判所前裁判長は、2016、2017年にロシアによる占領下にあるクリミアを3回訪れていた。トゥピツィキー氏は、これまでロシアが同氏に対して刑事捜査を行なっていることから、クリミアは訪れていないと発言していた。
公共テレビ局とラジオ・リバティー通信が、共同番組「スキーム 細部の中の汚職」にて、国境警備庁の関係者情報をもとに報じた。
報道によれば、トゥピツィキー氏の被占領下クリミアの3回の訪問は、いずれもヘルソン州通過検問地点「チョンハル」を通って行われたという。1回目は、2016年7月20日に入域し、8月28日に出域。その後、2017年に4月7〜9日、8月5〜22日にもクリミアを訪れていたという。3回の滞在期間は、合計すると約2か月となる。
弁護士であり、市民公正評議会の元メンバーであるロマン・マセルコ氏は、スキームの記者に対して、裁判機関と保安庁(SBU)は、裁判官たちに対して、被占領地を訪れないように勧告していたことを喚起した。マセルコ氏はまた、トゥピツィキー氏の行動は、「裁判官の倫理ルールに反している」と述べ、裁判官というのは非常に重要な情報を有しているのであり、「もし彼らが買収されれば、それは国家安全保障問題となる。そのため、そのような行為にはリスクがあり、私は違法な行為だと確信している」と発言した。
なお、トゥピツィキー前最高裁判長は、クリミア南部に土地と資産を有していることがわかっている。
1月19日、国家捜査局捜査官は、憲法裁判所のオレクサンドル・トゥピツィキー裁判長に対して、偽証・証言者買収容疑を伝達している。
ゼレンシキー大統領は3月27日、2013年にヤヌコーヴィチ当時大統領によるオレクサンドル・トゥピツィキー氏とオレクサンドル・カスミニン氏を憲法裁判所裁判官に任命する大統領令を無効化している。
憲法裁判所は2020年10月27日、誤った資産申告の責任を定める刑法典366−1条を違憲とする判決文を公開。これを受け、国家汚職防止庁(NAPC)は、オンラインで公開されていた政権高官資産公開サイトへのアクセスを遮断した。憲法裁判所のによる27日に非公開裁判は、47名の最高会議議員が申請したもの。47名の議員の所属は、44名が親露系の「野党生活党」会派所属、2名が議員グループ「未来のため」所属であり、1名が無所属議員であった。